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ピーター・シスの闇と夢
チェコスロヴァキア(現 チェコ共和国)出身でアメリカを代表する絵本作家のピーター・シス(1949年生)は、1987年からこれまで30作以上の絵本を生み出してきました。日本でも多くのシス作品が翻訳されており、「絵本好き」の本棚にはシスの作品が1冊は収められていることでしょう。
とりわけ次の4作品は、最も知られているシスの代表作です。
1994年に発表され、日本では柴田元幸氏の翻訳によって2005年に出版された『三つの金の鍵 魔法のプラハ』では、シスの少年時代の思い出やプラハの歴史を辿り、美しくも悲しみを帯びた古都が描き出されています。
その2年後の1996年に出版された『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』では、勇敢な科学者ガリレイの生涯を読み解き、アメリカの優れた絵本に与えられるコルデコット賞推薦を受けました。シスは偉人の伝記的絵本を多く手掛けていますが、彼らの成し遂げた偉業を称えることに終始せず、少年期の苦悩や直面する困難にも焦点を当てています。
また2007年には、日記に基づく自伝的絵本『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』を発表し、チェコ出身の絵本作家として世界的な評価を確立します。ソ連下の故郷で表現の自由を制限された辛い経験や、その中でも夢や希望を抱き続けていたことなどを描写した本作は、シスのアイデンティティーを想起させる記念碑的な作品と言えるでしょう。
そして2012年に、シスは国際アンデルセン賞画家賞を受賞します。2014年には、名作『星の王子さま』の作家であるサン=テグジュペリの生涯を、『飛行士と星の王子さま: サン=テグジュペリの生涯』として絵本に仕立て、不朽の名作に新たな解釈を提示しました。
シスの創作活動の軌跡は、故郷チェコでその才能が開花した映像制作にはじまり、アメリカでの雑誌や新聞、書籍へのイラストレーションの提供、そして絵本の創作へと連綿と続いています。途切れることのない芸術活動への意欲は、幼い頃から抱き続けた自由に描くことや表現することへの喜びと情熱に裏打ちされているのです。
本展は、日本ではじめて開催されるシスの展覧会です。代表作の絵本原画やシスの創作活動の原点であるアニメーション作品を中心に、オブジェや構想メモ、スケッチ、日記など様々な作品や資料を含んだ約150点を通して、シスの芸術を俯瞰します。
Event Information
- 展覧会名
- ピーター・シスの闇と夢
- 開催期間
- 2021年9月23日~11月14日 終了しました
- 開館時間
-
10:00~18:00
入館は閉館の30分前まで
- 休館日
- 月曜日
- 入館料
一般1,000円、高校・大学生および65~74歳800円、
中学生以下および75歳以上無料、
障害者(一般)500円、障害者(高校・大学生)400円、
団体(一般)800円、団体(高校・大学生)700円ぐるっとパスご利用の方500円(年齢などによる割引の適用外になります)
練馬区文化振興協会友の会会員ご招待(同伴者1名まで)
※観覧当日、受付で会員証をご提示のうえ、招待券をお受取ください。※一般以外のチケットをお買い求めの際は、証明できるものをご提示ください。
(健康保険証・運転免許証・障害者手帳など)
※障害がある方の付き添いでお越しの場合、
1名様までは障害者料金でご観覧いただけます。
※団体料金は、20名様以上の観覧で適用となります。
- お問い合わせ
Venue Information
- 会場
- 練馬区立美術館
- 主催
- 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)