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2024年11月1日
企画展 北斎かける百人一首/すみだ北斎美術館
すみだ北斎美術館で『百人一首』に関する浮世絵を紹介する展覧会が開催中です。
(左)葛飾北斎 百人一首乳母かゑとき 猿丸太夫 すみだ北斎美術館(前期展示)
(右)葛飾北斎 諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし すみだ北斎美術館蔵(前期展示)
本展では、現在でもカルタとして広く親しまれている『百人一首』を題材に描いた浮世絵などの関連作品約105点を展示。さらに、同館所蔵の葛飾北斎最後の大判錦絵シリーズ「百人一首乳母かゑとき」から、前後期合わせて23図を公開します。
『百人一首』は、1235年に藤原定家(1162-1241)が、子・為家(ためいえ)の養父である連生(宇都宮頼綱・1172?-1259)より依頼を受け、嵯峨中院山荘(さがなかのいんさんそう)の障子を飾る色紙100枚を書いて贈ったという記録が残っています。
この色紙に選んだ100首が『百人一首』のもととなる『百人秀歌』であり、鎌倉時代中期以降の後世の人びとにより変更が加えられて『百人一首』として成立したのではないかと最近の研究でいわれています。
葛飾北斎 美人カルタ すみだ北斎美術館蔵(後期展示)
『百人一首』は、江戸時代中期ごろまでに一般教養として広く浸透していきます。さらに、ポルトガルから伝来した「カルタ」と結びついて百人一首かるたとしても広まったことで、より親しまれる存在となりました。
小学校の国語で百人一首かるたを覚えた方も多いのではないでしょうか。お気に入りの一首があったら、ぜひチケットプレゼントフォームで教えてください♪
溪斎英泉『日用雑録婦人珠文匣 秀玉百人一首小倉栞』 すみだ北斎美術館蔵(前後期・頁替えあり)
江戸時代の女性の教養書として出版された本書。挿絵は、北斎と親交のあった浮世絵師である溪斎英泉(けいさいえいせん、1791-1848)が担当しています。
『百人一首』の歌人や歌の意味について、1ページずつ挿絵とともに解説されており、前期は紫式部のページ、後期には清少納言のページが展示されます。
葛飾北斎 百人一首うはかゑとき 文屋朝康 すみだ北斎美術館蔵(前期展示)
本展では、すみだ北斎美術館が所蔵する北斎最後の大判錦絵シリーズ「百人一首乳母かゑとき」を、前後期あわせて23図展示します。
1835年頃、『百人一首』の歌の意味を大人が子どもに絵で説明する主旨で制作が企画された本シリーズ。「乳母が絵解きする」という意からこの名称がついています。
北斎ならではの世界観で表現された『百人一首』の歌やその歌人に注目です◎
葛飾北斎 五歌仙 月 すみだ北斎美術館蔵(作品を替えて通期展示)
北斎が5人の歌仙を描いたシリーズの1図である《五歌仙 月》。平安時代中期の歌人である赤染衛門(あかぞめえもん、生没年未詳)を描いた作品です。
『百人一首』では「やすらは(わ)でねなましものをさ夜ふけて かたぶくまでの月を見しかな」の歌が選出されている歌人・赤染衛門。本図の月を仰ぎ見る美人の構図は、その歌意を踏まえて描かれたと考えられています。
葛飾北斎 五歌仙 月 すみだ北斎美術館蔵(作品を替えて通期展示)
また、左上の月や赤染衛門の着物には銀摺(ぎんずり)が見られ、月にかかる雲の表現には、凹凸をつけることだけで表す空摺(からずり)が用いられているなど、手の込んだ技法が使われているところにも注目!当時の摺師の技術の高さをうかがわせる一作です。
『百人一首』に関する浮世絵約105点を展示する本展。
編集部お気に入りの作品はこちら。細身で目のつりあがった独自の美人を多く描いた北斎の弟子、抱亭五清(ほうていごせい)による肉筆画《美人と花籠図》です。
抱亭五清 美人と花籠図 すみだ北斎美術館蔵(前期展示)
女性が着ている着物の帯には、かるた札のような文様が描かれていますね。よく見ると『百人一首』や『拾遺和歌集』の歌が確認できます。
かるた札柄の帯がとてもかわいらしくて、こんな帯があったら着物の取り合わせも楽しいだろうな~と思いながら鑑賞していました◎
『百人一首』を知っている方はもちろん、うろ覚えという方も楽しめるよう本展では、来館者限定で『百人一首』の一覧や歌人の関係性を紹介する補助資料も配布!
こちらの資料と照らし合わせて、展示作品をじっくりと鑑賞してみてくださいね。
※前後期で一部展示替えを予定
前期:12月15日~1月22日
後期:1月24日~2月26日