憧憬の地 ブルターニュ /国立西洋美術館

上野からフランス・ブルターニュへ。異郷の地を旅しよう【国立西洋美術館】

2023年4月4日

憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷/国立西洋美術館

国立西洋美術館にて、「憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」展が開催中です。

「憧憬の地 ブルターニュ」展では、多くの画家たちが魅了したフランスの最果ての地、ブルターニュ地方にまつわる作品約160点を紹介。

そんな魅力たっぷりな本展を、アート鑑賞がお好きなインフルエンサーのケントさんとマスジマタクミさんと一緒にご案内します。

憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷/国立西洋美術館 Sfumart 特集コラム

本特集では、おすすめの撮影スポットやグッズ、音声ガイドなど、「憧憬の地 ブルターニュ」展をより楽しく巡る情報をお届け。

コラム最後にはチケットプレゼントもあります。最後までお見逃しなく!

作品を通してブルターニュの魅力に触れる

19世紀後半から20世紀初頭は、交通網の発達により、旅が身近になっていった時代。

新たな画題を求めて多くの画家たちがフランス・ブルターニュを目指しました。そこで彼らが描いたのは、ブルターニュの豊かな自然や現地の人びとの暮らしぶりでした。

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本展では、国立西洋美術館の「松方コレクション」をはじめとする30か所超の国内所蔵先と海外のミュージアム2館から集められた、ブルターニュにまつわる作品およそ160点を展示。

憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷/国立西洋美術館 Sfumart 特集コラム

絵画や素描、版画、ポスター作品のほか、ガイドブックや画家が旅先から送った絵葉書、旅行トランクなどの関連資料とともに、画家たちを惹きつけたブルターニュの魅力を探ります。

ブルターニュってどんなところ?

ブルターニュは、フランス北西部の大西洋に面したエリアです。

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16世紀にフランスに併合されるまでは、ブルターニュ公国として独立していた地域で、豊かな自然と独自の言語や文化を形成しました。

そのため、フランスの中でも「異郷」として認識されています。

印象派の画家たちが捉えたブルターニュ

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ブルターニュといえば、「コワフ」という民族衣装の白い被り物をはじめ、エキゾチックなイメージでステレオタイプ化されることもしばしば。

そうした中で、荒々しくも豊かな自然とありのままに向き合ったのが、モネを筆頭とする印象派世代の画家たちでした。

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《嵐のベリール》と《ポール=ドモワの洞窟》は、モネがブルターニュ地方南部に位置するベリール島滞在中に描いた作品です。

嵐の海と、穏やかな海。色彩だけでなく、タッチも対照的です。その筆づかいから、モネが体感したブルターニュの空気や風、音までもが伝わってくる気がしませんか?

ゴーガンの表現の変遷に注目

流派や国籍を問わず幅広い画家を受け入れたブルターニュは、美術史上、重要な画家グループが生まれるきっかけを作った場所でした。

ゴーガンを中心とするポン=タヴェン派もその一つです。

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ブルターニュ地方の南西部にある小さな村、ポン=タヴェンが気に入ったゴーガンは、この地での制作や他の画家たちとの交流を通じて、野性的・原始的なものへと関心を向けていきます。

会場では、ゴーガンがブルターニュ滞在中に描いた12点の作品を年代順に展示。

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印象派の影響が残る作品から、シンプルな色彩とフォルムでより精神的なものを表現した作品へと変化していく様が見てとれます。

ゴーガンにとって、ブルターニュはタヒチへと至る経由地点ともいうべき場所だったのでした。

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日本の画家たちが見た「異郷の中の異郷」

西洋の画家たちだけでなく、パリに留学していた日本の画家たちもブルターニュへと足を運び、作品を残しています。

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黒田清輝《ブレハの少女》1891年 石橋財団アーティゾン美術館

黒田清輝や久米桂一郎、藤田嗣治らがブルターニュの風景や風俗を描いた作品とともに彼らの足跡を辿り、ブルターニュの旅を追体験してみるのも本展の醍醐味の一つです。

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展示室は一部撮影OK “旅する展覧会”の重いっを撮ろう

展覧会のメインビジュアルにもなっている目玉作品、モネ《ポール=ドモワの洞窟》やゴーガン《海辺に立つブルターニュの少女たち》も撮影できます。

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憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷/国立西洋美術館 Sfumart 特集コラム

印象に残ったブルターニュの姿を写真に収めてみては?

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展示室入口のガラス面や入口のパネルもオシャレ。こちらも撮影OKです。

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“旅”の思い出を蘇らせる 展覧会グッズもおすすめ

ブルターニュへの興味が湧いてきたら、本展の図録をぜひ手に取ってみて。収載されている「ブルターニュでの作家滞在地」マップとあわせて作品を図版で見返せば、ブルターニュという土地の姿がより立体的に見えてくるはずです。

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「憧憬の地 ブルターニュ」展覧会公式図録 3000円(税込)

そして、今回の“旅”の思い出の品には、モネやゴーガンらの絵画作品をモチーフにしたマグネットとメタリックしおりがおすすめ。

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きちんと額装されたデザインがポイントです。

ブルターニュの思い出を、手のひらサイズに閉じ込めて持ち帰ってみては?

 

日本にいながらブルターニュを旅する気分が味わえる「憧憬の地 ブルターニュ」展。

ブルターニュという最果ての地で、画家たちは何を見て、何を感じたのか。作品に宿る画家たちのまなざしを通して、遠く離れたブルターニュへと思いを馳せてみてください。Bon Voyage!

憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷/国立西洋美術館 Sfumart 特集コラム

Exhibition Information

展覧会名
憧憬の地 ブルターニュ  ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷
開催期間
2023年3月18日~6月11日 終了しました
会場
国立西洋美術館
公式サイト
https://bretagne2023.jp
注意事項

本展は新型コロナウイルス感染防止対策のため、事前予約制(日時指定券)を導入しています。詳しくは展覧会公式サイトをご確認ください。