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2024年11月1日
推し活!展/早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
皆さんは早稲田大学の敷地内に、演劇史を紹介する「早稲田大学坪内博士記念演劇博物館」があることはご存知でしょうか。
「エンパク」という略称で親しまれている同館は、日本近代文学と演劇の発展に大きな功績を残した坪内逍遙(つぼうちしょうよう、1935-1859)によって建てられました。
演劇をこよなく愛した坪内博士のアツい想いが詰まった同館では現在、昨今ブームになっている「推し活」を紹介する展覧会が開催中です。
本展では、エンパクが所蔵する「推し活」に関する資料を展示し、「推し文化」の歴史をひも解きます。
「推し」とは、好きな人やモノなど応援する対象のことを指す言葉です。
好きな芸能人や好きな作家の作品、または家族の一員でもある愛犬や愛猫なども「推し」と言えるでしょう。
人によって推しはさまざまであり、またそうした推しに対する応援や愛情の表現も多岐に渡ります。
近年話題となっている推しを応援する活動「推し活」。
推し活という言葉は最近の言葉ですが、実は推しに対する応援行為は古くから行われていました。
エンパクは、多岐にわたる推し活に関する資料を所蔵しています。本展では、推し活に注目して「推し文化」の歴史に迫ります。
本展では、推し活を「集める」「共有する」「捧げる」「支える」の4つの章に分けて紹介しています。
中でもスフマート編集部が興味深いと思ったのは、「共有する」の章です。
共有と言えばSNSを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかしまだSNSどころか、インターネットすらもない大正時代。当時の人びとはどのようにして自分の推しを共有していたと思いますか?
こちらは、宝塚歌劇団に関する資料です。
当時から多くのファンによって支えられている宝塚歌劇団。これらはすべてファン目線の内容が充実した資料です。
ファン同士が推しの情報や共感を共有する。その熱量を本展では間近で感じることができますよ。
また、「捧げる」の章では、推しが好きすぎて事細かに推しについての情報を記載した資料を展示。この資料はなんと、日本初の演劇史の本として研究者に重宝されているのだそう!
著者は、まさか令和のこの時代まで自分の推し活が貴重な資料となり、演劇を学ぶ人びとに真剣に読み込まれているとは、思ってはいないでしょうね。
もしかしたら、私たちの推し活も遠い未来に貴重な資料として重宝されるかもしれません。
1階特別展示室では、特別展「演劇の確信犯 佐藤信」も同時開催中です。
現代演劇の礎を築いた劇作家・出家の佐藤信。1960年代末に演劇センター68を結成し、「運動としての演劇」というテーゼを掲げ、黒色テントによる旅公演を開始しました。
本展では、佐藤家からエンパクへ寄贈された資料を元に演劇人・佐藤信の軌跡を辿ります。
これらの寄贈資料が展示されるのは、今回が初とのことです。
佐藤信の代名詞でもある「黒テント」に関する資料はもちろん、今年3月に逝去した音楽家・坂本龍一が所属した音楽グループYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の舞台演出の資料など、約130点の資料を展示。
佐藤信を特集する展示としては、本邦初となる企画です。ぜひ、こちらにも足を運んでみてください。
また、展示室の足元のデザインにも注目です。こちらの足跡を辿っていくと、本展の関連作品を上映しているホールへ着きます。
実際の映像作品を観ると、資料で読み解くのとは違う佐藤信の魅力に気づくことができますよ。
お時間に余裕のある方は、こちらも要チェックです!
古今東西の演劇に関する資料を所蔵する早稲田大学坪内博士記念演劇博物館。
毎年さまざまな演劇に関する展覧会を開催している同館でも、ファンに焦点を当てた展示は初めてなのだそう。
演劇史というと役者や演出家ばかりに目が行きがちですが、「推し活!」展を通して本当に演劇を支えているのは、ファンだということを再認識しました。
また「推し活!展」では「ワタシの推しコレクション」(#推しコレ)と題し、「推し活」に関するアンケートを行っています。
こちらのアンケートの回答の一部は、皆さんからの〈声〉として展示されています。
展覧会を観た後は、アンケートも答えてみては?
【動画で本展を紹介中!】
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