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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
世界遺産 大シルクロード展/東京富士美術館
東洋と西洋を結ぶシルクロードは古代から人びとの交流や通商のルートとして栄え、2014年には世界遺産に登録されました。
そのシルクロードにまつわる名宝を紹介する展覧会が、日中平和友好条約の締結から45周年となることを記念し、中国以外で初めて大規模に開催されます。
本展では、中国各地の主要な博物館や研究機関に所蔵されている文物が一堂に会します。
シルクロードとは、紀元前2世紀から15世紀半ばまで、ユーラシア大陸を東西に横断した交易路網のことです。
中国の長安(現在の西安)から始まり、中央アジアのオアシス都市を経由して、地中海沿岸のローマ帝国に至るルートがもっとも有名です。
「シルク」は中国の特産品である絹織物に由来していますが、絹だけではなく、金や銀、香辛料、宝石、薬草、動物などさまざまなものが運ばれました。
加えて、単なる交易路としてではなく、東西の経済・文化・政治などの交流において中心的な役割を果たしたことが特徴的です。
また、仏教やイスラム教などの宗教もシルクロードを通じて伝播し、世界史に大きな影響を与えました。
会場である東京富士美術館は、2023年11月3日に開館40周年を迎えます。
これを機にリブランディングプロジェクトが始まり、美術館のロゴデザインがリニューアルされ、タイプデザインもオリジナルフォントに一新されました。
日本・東洋・西洋の質の高い所蔵品を誇る東京富士美術館では、今後もさまざまな展覧会が行われる予定です。
東京富士美術館公式サイト:https://www.fujibi.or.jp
本展では、シルクロードにまつわる一級文物が数多く出品されます。
一級文物とは中国の最高級の貴重な宝物を指し、日本でいう国宝に相当するものです。
いくつかの作品は無料アプリ「ポケット学芸員」で解説を聞けるので、本展を機に東洋美術を鑑賞する楽しさに触れてみましょう。
会場では、絵画・金属工芸・染織・書などさまざまなジャンルの美術品がみられます。
《瑪瑙象嵌杯》5-7世紀 イリ州博物館
「シルクロードのコイン」をテーマにした約40点の特集展示では、当時の流通の実態を知る上でも重要な文物として、ペルシアやローマなどの金貨や銀貨が並んでいます。
「シルクロードのコイン」展示風景より
《唐花文鞋》は多彩な唐花紋様が施された女性用の靴で、長い裾の衣裳を着ていた中国古代の貴族文化を象徴する遺品です。
奈良の正倉院でも似たデザインの靴が見つかっており、東西の文化のつながりを感じられます。
《唐花文錦鞋》唐・8世紀 新疆ウイグル自治区博物館
日本から「遣唐士」が派遣され、日中の交易が始まっていた唐の時代の文物も豊富です。
墓から出土した《駱駝(らくだ)》や、西方世界で愛用されたものを真似た《鳳首杯(ほうしゅうはい)》の豊かな色彩は、唐時代に技法が確立されたもので「唐三彩(とうさんさい)」と呼ばれています。
《駱駝》唐・8世紀 洛陽博物館
《鳳首杯》唐・8世紀 陝西歴史博物館
燦然と金色に輝くきらびやかな装飾が魅力的な《六花形脚付杯》のように、唐時代の華やかさを象徴する名品が勢揃いしています。
《六花形脚付杯》唐・8世紀 山西博物院
お経の断簡や如来像の壁画など、仏教美術の優品も数多くみられます。
展示室の最後を飾るのは、仏像や仏教絵画など当時の信仰が表現された美術品です。
仏教美術の展示風景より
《観世音菩薩普門品 断簡》麴氏高昌国・建昌5年(559年) トルファン博物館
唐時代の《菩薩坐像》は、気品のある美しいプロポーションが魅力的で、写実性と理想的な表現が融合した見事な作品です。
《菩薩坐像》唐・7-8世紀 龍門石窟研究院
多様な民族が往来した文化融合の道——シルクロードの世界は、歴史好きの人ならきっと楽しいはず。
日本美術が好きな人は、日本の古美術との違いを楽しんでみると面白いかもしれません。
東京富士美術館で開幕した本展は、全国各地へ巡回する予定です。
●福岡アジア美術館
●東北歴史博物館
●愛媛県美術館
●岡山県立美術館
●京都文化博物館
古代から続く東西の交流と、壮大な歴史の歩みに思い馳せてみてはいかがでしょうか。
「シルクロード」がモチーフのミュージアムグッズ
オリエンタル風の図柄が印象的な文房具