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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
光へ漕ぐ舟 ~手から生まれる遥かな広がり~/ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
銅版画家・浜口陽三の作品を所蔵する小さな美術館、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション。
現在、浜口陽三作品と共に、現代において繊細で澄んだ表現を追う作家3人を紹介する展覧会が好評開催中です。
今回、出品作家のひとりである前田昌良氏のデモンストレーションを取材しました。
本記事ではデモンストレーションのようすとともに、本展の見どころについてもお届けします。
今回の展示の見どころは、浜口陽三と3人の現代作家のコラボレーションです。
浜口陽三の作品は超繊細。メゾチントという版画技法を使った作品は、“静謐”という言葉がふさわしく、同時に色彩の豊かさも持ち合わせています。
そんな静けさを持つ浜口陽三の作品とコラボするのは、
手に包めるようなスコープの中に、静かな世界をつくる美術家・桑原弘明。
主観を排除し、素材と道具のためのドローイングを続ける高島進。
そして小さな動く彫刻に、純真な夢を込める前田昌良。
4名が織りなす作品世界は写真だけでは伝えられないので・・・ぜひ直接鑑賞することをおすすめします。
10月13日に、前田昌良氏によるデモンストレーションが開催されました!そのときのようすも少しだけお届けします。
ひとつひとつの作品に込められたストーリーを丁寧に説明する前田昌良氏
現代作家・前田昌良氏は、遊び心のある彫刻作品「小さな動く彫刻」や、絵画、本の装丁などを手がけています。
彫刻作品に使用される素材は、針金や木、銅、時にはスープの缶など身近にあるものを使うことも。
前田氏が自身の子どもに聞いた話から着想を得たりと、創作の秘密も、身近にありそうです。
前田氏の作品ではよく見られる「星」「夜空」をテーマとした作品は、ユニークさと静けさがまじりあうような、不思議な気持ちに。
《前向きな天使》は、その名の通り夜空を前向きに飛ぶ天使がデザインされています。
銅板を使用しているので、人びとがふれるたび風合いが変わっていきます。
繊細な小さな動く彫刻たち。今回、作家の希望により来館者がふれることができる展示となっています(一部不可)。
ただし、そっとやさしく触れてくださいね。お子さんが触ってもOKですよ◎
手に包めるようなスコープの中に、静かな世界をつくる美術家・桑原弘明。
鑑賞者は、この小さな真鍮のスコープを、ライトを照らしながらのぞきます。
スフマート編集部もチラシを見てワクワクしていたのですが・・・こればっかりは見ないと分かりません。静かな部屋の移ろいを見ていると、心落ち着いたり、誰かの部屋をのぞいているようなドキドキした気分になったり。
3人目は、主観を排除し、素材と道具のためのドローイングを続ける高島進。
メタルポイントという金属の筆を使って制作される作品です。
一本の線をずっと目で追うと、ついつい息をするのを忘れそうになるのでご注意!
筆にインクをつけ、一本の線を途切れさせずに描いていきます。インクを引いていくと筆先のインクがだんだん減り、線が細くなっていきます。それが終わるとまたインクをつけてなぞっていく。
それを何度も何度も繰り返して制作しています。ものすごく気の遠くなる作業に感じられますが、主観を無くし、素材と道具にこだわった究極の制作方法であるともいえますよね。
現代作家と浜口陽三のコラボレーションが実現した本展。
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションは、「水天宮駅」「人形町駅」どちらからもアクセスが良いので、是非この機会をお見逃しなく。