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2024年11月1日
特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」/国立国際美術館
死のディスク石彫
国立国際美術館で、特別展「古代メキシコーマヤ、アステカ、テオティワカン」が2月6日から始まっています。
東京、福岡を巡ってきた特別展「古代メキシコ」は、2会場を合わせて約42万人動員されたという超人気の展覧会。
紀元前15世紀から16世紀のスペイン侵攻まで、3000年以上栄えた古代メキシコ文明の魅力がたっぷりと詰まっています。
四大文明とは離れた地域で繁栄した古代メキシコ文明には、今だ解明されていない謎とミステリーがたくさんあり、多くの考古学者や芸術家を惹きつけてやみません。
そんな古代メキシコ文明の魅力がたっぷり詰まった展覧会のようすをレポートしたいと思います。
アメリカ大陸に人類が初めて入ったのは今から約1万3000年以上前まで遡ります。
当時、ベーリング海峡は陸続きでした。シベリアやアラスカを経由し、アメリカ大陸に辿り着いたのです。
古代メキシコ文明は、16世紀にスペイン人がアステカ王国を征服するまで繁栄しました。
今回の展覧会では、古代メキシコ文明のうち、特に繁栄したマヤ文明、アステカ文明、テオティワカン文明に焦点を当て、出土品約140件が展示しています。
羽毛の蛇神石彫
紀元前100年から550年頃まで繁栄していたとされるテオティワカン文明は、碁盤の目状に作られた都市でした。
「死者の大通り」と呼ばれる大通りを軸に、3つの巨大なピラミッドが立ち並び、住居がズラリと配置されていたのです。
その巨大なピラミッドの一つ「羽毛の蛇ピラミッド」は、1トンを超す超巨大な羽毛の蛇神の石彫で壁面が覆いつくされていました。
壁面を飾っていた羽毛の蛇神の石彫が展示されています。
羽毛の蛇ピラミッドの巨大な写真の前に、圧倒的な重量と質量で存在する羽毛の蛇神の石彫は息をのむほどの迫力です。
これが幾つも幾つも、ピラミッドの壁面を覆っていると考えると気が遠くなってしまいますね。
赤の女王のマスク
今回の展覧会の一番の見どころは、赤の女王です。
マヤ文明の代表的な都市国家パレンケの黄金時代を築き上げたパカル王の王妃とされている、赤の女王。
発見された時は赤い辰砂(しんしゃ)に覆われていたので、「赤の女王(スペイン語で「レイナ・ロハ」)」と呼ばれるようになりました。
赤の女王の墓からの出土品は、メキシコ国内とアメリカから出たことはなく、今回が初来日。この展覧会の大注目の一つです。
赤の女王の墓室をイメージした展示空間ということで、展示室に足をふみ入れると真っ暗で少しドキッとします。
真っ暗な展示室の真ん中には、ガラスケースに赤い人形が、赤の女王のマスクや、首飾り、頭飾りや、冠、胸飾りや、足首飾りなどをすっかり身に着けて横たわっているのですから、本物の赤の女王が墓室に横たわっているかと錯覚してしまうくらいです。
女王のマスクは孔雀石の小片を組み合わせて作られており、瞳には黒曜石が、白目には白ヒスイ輝岩石が施されています。
黒曜石の瞳はまるで生きているかのように輝き、今にも動き出しそうにさえ見えました。展覧会でぜひ本物の輝きをご覧ください。
赤の女王のマスク
鷲の戦士像
アステカ文明は、現在のメキシコシティに当たる場所に繁栄しました。
そのアステカ文明の首都は、スペインの戦士が、まるでヴェネツィアだと驚嘆したほど美しく洗練された大都市だったのだそう。
そんなアステカ文明のコーナーの一番の見どころは、何と言っても、鷲の戦士像でしょう。
鷲のコスチュームに身を包んだ戦士はまるでレンジャー戦隊のようにも見えて、思わずカッコイイと思ってしまいますよね。
展示室の外には鷲の戦士になりきって写真を撮れるコーナーも設置されています。
ここで、インスタ映えの写真が撮れること間違いなし!
会場を出るとお土産ショップがあり、メキシコグッズなどが鮮やかにズラリと並んでいます。
まさに最後までメキシコを味わい尽くせますね。
日本から遠く離れたメキシコという国にあまり馴染みがないという方も多いかもしれません。
しかし、そのメキシコでかつて都市国家を築いていた人びとは、私たちと同じだったのです。
メキシコと日本は遠いようで、実は深いところでつながっているんだなあと感じることができた展覧会でした。