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2024年11月1日
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民藝 MINGEI ― 美は暮らしのなかにある/世田谷美術館
世田谷美術館にて、「民藝 MINGEI ― 美は暮らしのなかにある」が開催中です。
本展は、日々の暮らしを彩ってきた民藝の品々およそ150件を展示し、「衣・食・住」をテーマに民藝をひも解く展覧会です。
現代に至るまでの身近な生活のなかにある「民藝」に焦点を当てて紹介しています。
今年注目の「民藝 MINGEI ― 美は暮らしのなかにある」を、栄養士の渡辺友美子さんと一緒にナビゲート。
本展の見どころやおすすめグッズなど、注目すべきポイントをまとめました。
展覧会をじっくり楽しむための参考にしてみてください!
「民藝」とは「民衆的工藝」の略語で、いまから約100年前に思想家の柳宗悦(1889-1961)を中心に提唱された考えです。
「民藝」と聞くと、高価なイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
民藝品は、生活道具や日用品として各地の風土から生まれ、日々の生活で使われてきたものです。
柳宗悦はそうした日常生活で使われてきた手仕事による品物に美を見出し、慈しみました。
1階展示室では、柳宗悦らが各地で収集した民藝の品々を「衣・食・住」に分類して展示。
暮らしに寄り添うようにあるものに、民藝美を見出した柳の視点を紹介しています。
2階展示室では、染色家・芹沢銈介がコレクションした南米やアフリカ、中東などのプリミティブなデザインの品々を展示。
広く世界へと向けられていった民藝のまなざしを紹介します。
さらに、民藝運動によって見出され再評価された日本各地の工芸の産地も紹介。
大分の「小鹿田焼(おんたやき)」や兵庫の「丹波布」、岡山の「倉敷ガラス」などを取り上げ、民藝の今と昔を対比させるように展示しています。
時代とともに変化するライフスタイルに合わせ、どのように次世代へとつなげていっているのか。
現在の作り手たちへのインタビュー映像を通し、現在進行形の民藝の姿も伝えています。
「美は暮らしのなかにある」という展覧会タイトルを象徴しているのが、モデルルームのような展示です。
展覧会の冒頭では、柳宗悦が1941年に日本民藝館で開催した「生活展」の再現を試みています。
民藝品で室内をしつらえた展示は、暮らしのなかにある民藝の美しさを物語っています。
展示品のなかには、実際に柳が使っていたものもあるのだとか。
この「生活展」の再現展示に呼応するように本展を締めくくるのが、「MOGI Folk Art」ディレクターによるインスタレーションです。
現代の暮らしのなかに、古今東西の民藝のエッセンスが感じられる品々が違和感なく取り入れられています。
まさに、これぞ現代の民藝的モデルルーム。
時代も場所も問わない普遍性が民藝の魅力の一つであることを実感できます。
2ヶ所のインスタレーションはいずれも写真撮影可能なので、ぜひインテリアの参考にしてみてください!
展示会場の出口を飾る型染めのれんは、いま注目の染色家・宮入圭太によるものです。
すべての展示を見終えると、特設ショップがお目見え。
のれんの先には、本展オリジナルグッズのほか、手仕事から生まれた国内外の民藝品が所狭しと並びます。
トートバッグやビンズ、サコッシュなどのオリジナルグッズのデザインも、宮入によるもの。
本展でしか買えない、展覧会オリジナルグッズにも注目です。
サコッシュ 1,800円(税込)/ピンズ 800円(税込)
また、日本各地にある民藝の老舗店や人気工房のアイテムが多数取り揃えられているのもうれしいところ。
東京にいながらにして、実物を手にして吟味できる貴重な機会になっています。
なかには一点ものや購入数を制限しているものもあるので、ショップでご確認を。
Instagramでおいしそうな料理を紹介している栄養士の渡辺さんも、器に興味津々。
せっかくなので1点選んでもらい、実際に使ってもらいました。
(左上)指描き6寸皿 沖縄・北窯 松田共司 4,950円(税込)
(左下)展覧会公式図録 2,970円(税込)
沖縄「北窯」の味わい深い器に盛りつけられた焼き鮭。
ふだんの何げない生活の中に民藝品が加わると、新鮮な気持ちにもなりますね。
この春から新生活を始めた方にもおすすめ。
「日々の暮らし」を見直すきっかけに、「民藝 MINGEI ― 美は暮らしのなかにある」を訪れてみてはいかがでしょうか。
(奥)茶缶100g 銀座たくみ 八尾和紙 1430円(税込)
(手前)口巻代付冷茶グラス くらしのギャラリー 三宅義一 3300円(税込)
市松角皿緑 民芸店ましこ 神谷製陶所 1,500円(税込)
手ぬぐい くらしのギャラリー 石北有美 1,980円(税込)
時代は変われども、確かに受け継がれてきた民藝の精神を感じられる「民藝 MINGEI ― 美は暮らしのなかにある」。
民藝が好きな人も初めて知る人も、「民藝」のイメージをアップデートできる展覧会です。
改めて、民藝のある暮らしを楽しんでみませんか。