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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソ/中之島香雪美術館
中之島香雪美術館にて、「珠玉の西洋絵画:モネ・ルノワール・ピカソー和泉市久保惣記念美術館所蔵品展―」が開催中です。
大阪府和泉市にある和泉市久保惣記念美術館には、約12000点の作品が所蔵されています。
今回は、そのコレクションの中から、西洋近代美術25点を一堂に展示します。
モネ、ルノワール、ピカソなど言わずと知れた有名画家による作品がたっぷり。西洋絵画大好きな方、必見ですよ!
入り口すぐの場所には、フランス革命後のゴヤ、ミレー、コローなどの作品が展示されています。
フランス革命以前の美術といえば、宗教画や歴史画、神話画などがほとんどでした。
しかし、コローは宗教画はほとんど描かず、人びとが暮らす日常生活の中に美を見出し、その風景を描きました。
今回の展覧会では、印象派の画家として知られるゴッホやゴーギャンの作品も楽しむことができます。
展示されているのは、ゴッホやゴーギャンが画家を志したばかりの頃に描いた作品。
ゴッホといえば「ひまわり」や、「星月夜」などが有名ですが、それよりもずっと暗い色調の印象です。
画家を志したばかりのゴッホが迷いながら描いている心が、そのまま表れているようです。
タヒチに渡った後の作品が印象的なゴーギャン。
本展では、パリにいた頃に描かれた珍しい雰囲気の作品が展示されています。
温かい色彩で描かれた「花飾りの女」は、少女や女性を多く描いたルノワールの作品です。
頭にバラの花飾りをつけた少女が、赤い上着を羽織り、大きく開いた胸元にペンダントが光っています。
まっすぐな眼差しが印象的ですね。
またルノワールが晩年に過ごした、南フランスの保養地カーニュ=シュル=メールの絵画も楽しめます。
モネといえば、「睡蓮」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
1907年、モネは同じ大きさの長方形のキャンバスをズラリとたくさん並べ、日の出から日没までの睡蓮の池のようすを、丹念に描きました。
今回展示されているのは、黄昏時の睡蓮池を描いています。
睡蓮の連作を描いたモネ。
それはきっと、同じ睡蓮の池でも、光の当たり方や水面のゆらめき、風の吹き方でまるで違ってくるからでしょう。
モネはそれを描きたかったのかもしれません。
ものうげにこちらを見つめている女性の絵画は、モディリアーニの作品「イタリアの娘」です。
19世紀末から第一次世界大戦勃発までのパリは、「ベル・エボック(美しき時代)」と呼ばれるくらい物質的に豊かな時でした。
けれども、ものうげな女性の表情は、そんな物質文明にむなしさを感じているような、気もします。
ロートレックや藤田嗣治など、物質文明の中で、現実のむなしさを見つめて絵を描き続けた画家たちの作品が並んでいます。
「エコール・ド・パリ」とは、1920年代のパリに住み、ボヘミアンな生活をしていた外国人芸術家たちを指します。
モディリアーニ、藤田、それから、若き頃のピカソやシャガールなどもそうでした。
戦争へ向かう暗い社会の中で、自由を求め続けたパリの外国人画家たちの作品が、ズラリと展示されています。
ピカソやシャガールの勢いのある線を見ていると、世界は自由であるべきなんだという強い思いが伝わってくる気がします。
中之島香雪美術館には、国指定重要文化財「旧村山家住宅」に建つ茶室「玄庵(げんなん)」を再現した、「中之島玄庵」があります。
この純日本的な風情の茶室の中に座っているのは、何と、ロダンの「考える人」!
日本的な茶室の中に、考える人が座っているとはシュールですね。
本展では、「中之島玄庵」のみ、撮影可能になっています。
考える人と同じポーズを取ってみたりして自由に撮影をしてみては?
「中之島玄庵」を出ると、展覧会のグッズが販売されています。
有名絵画のエコバッグや絵ハガキ、マグネットなどなど面白いものがたくさんありますよ。
本物の西洋絵画はやはり見ていて、強い印象を残します。
ピカソや藤田の作品など、こちらでは紹介しきれなかった作品もたくさんあるので、ぜひ、直接足を運んで、絵画の世界に思いきり浸ってみて下さい。