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2024年11月1日
こどものみなさまへ あ・そ・ぼ/ちひろ美術館・東京
ちひろ美術館・東京(練馬区・下石神井)にて、絵本画家いわさきちひろ(1918-1974)の没後50年を記念した展覧会「こどものみなさまへ あ・そ・ぼ」が開催中です。
本展では、ちひろの絵のなかの子どもたちの「あそび」に注目。
アートユニットplaplaxによる《絵を見るための遊具》を展示室に展開するほか、絵のなかであそぶインタラクティブな作品も展示します。
また、発達心理学の視点からもちひろの絵を読み解きます。
子どもも、かつて子どもだった大人も、のびのびとちひろの世界を楽しむことができると同時に、あらためて子どもやあそびについて知り、子どもの今と未来について考える展覧会です。
ちひろの絵のなかの子どもたちは、なんでもあそびにしています。
たとえば、雨の日の水たまりであそぶ子や、そうじ道具をあそび道具にしている子。
そして、ぬいぐるみを友だちにする子など、実にさまざまな子どもがあそびを楽しんでいるようすが描かれています。
日常のあらゆるものをあそびにして、世界を知る子どもたち。
本展では、そんな子どものユニークな考えをもとに、美術館自体を「あそび場」にチェンジ!
ちひろの作品世界を体感できるようになっています。
展示室内には、plaplaxによる《絵を見るために遊具》が点在しています。
遊具には、子どもが思わずあそびたくなる楽しいしかけがいっぱい!
のぼったり、くぐったり、特定の場所を踏むと音が鳴ったり。ちひろの絵をあそびを通して、違った視点で鑑賞することができますよ。
本展では、発達心理学、認知科学を専門とする京都大学准教授の森口佑介氏が企画協力しています。
ちひろの絵本『ぽちのきたうみ』について、森口氏は「大人とは異なる、子どものありのままの心の世界が描かれている」と語っています。
なかでも、森口氏が「子どもの心情イメージが描かれている」と話したのは、こちらのワンシーン。
夏休み中、ぽちと離れて暮らすことになってしまった主人公の女の子が、ぽちに手紙を書くシーンです。
女の子が想像した夕焼けと海が画面いっぱいに広がり、女の子の姿は白いシルエットで表現されていますね。
「子どもの想像が、現実を上書きしているようすを表現しているのではないか」と森口氏は話していました。
発達心理学の視点から、ちひろがどのように子どもの心を表現したかについても、詳しく紹介しています。
ちなみに、隣に展示されている手紙は、絵本のなかの1ページで、ちひろが書いたものです。
ちひろは左利きですが、文字は右で書いていたのだそう。
子どもの字のように、造形的な文字を書くときはあえて左で書いたといいます。そんな細かなところにも注目です。
plaplaxによるインタラクティブな作品で、のびのびとからだを動かしながら、ちひろの絵の世界に入り込むこともできます。
こちらは、《絵の具の足あと》という作品。ちひろの代名詞ともいえる水彩絵の具を使ったにじみ技法からヒントを得た作品です。
白い床の上を歩くと、動きにあわせて色が広がります。
さらに、ピアノの美しい音色も鳴るので、バレリーナ気分も味わえますよ。
いつでも、どこでも、なんでも、どんなものでも「あそび」にする子どもの視点で、いわさきちひろの作品を観る展覧会。
正直、子どもより大人の方が夢中になってしまうかも?
そんな子どもはもちろん、かつて子どもだった大人のみなさんものびのびと楽しめる展覧会でした。