2021年11月18日

東京富士美術館で開催中の「古代エジプト展」が、2022年1月16日まで会期を延長

ベルリン国立博物館群のエジプト博物館から選りすぐりの作品約130点を紹介。古代エジプト人の信仰をひも解く展覧会

東京・八王子に建つ東京富士美術館は、充実した西洋絵画のコレクションで知られています。

同館では現在「古代エジプト展 天地創造の神話」が開催中です。その会期が、好評につき2022年1月16日まで延長することが決定しました。

スフマート Sfumart 東京富士美術館 古代エジプト展 天地創造の神話 ニュース
古代エジプト展 天地創造の神話 展示風景より

本展では、古代エジプト人が信じた「天地創造と終焉の物語」を、ドイツ・ベルリンにある「ベルリン国立博物館群エジプト博物館」のコレクションの中から選りすぐった約130点の作品で紹介します。

※展覧会詳細はこちら

ベルリン国立博物館群のエジプト博物館とは

ドイツの首都・ベルリンに流れるシュプレー川に浮かぶ「博物館島」にある5つの博物館を中核とする総合博物館群である、ベルリン国立博物館群。

かつてドイツの北東部にあったプロイセン王国歴代のコレクションを基礎とし、先史時代から現代にいたるまで、世界的な規模と質を誇るコレクションを所蔵しています。

1999年には「博物館島」全体がユネスコの世界文化遺産に登録されました。

今回、紹介されているエジプト博物館は、「博物館島」にある5つの博物館のうち、2009年に改修を終えた「新博物館」内にあり、世界でもっとも有名な女性像の一つとして知られる「ネフェルトイティ(ネフェルティティ)の胸像」を所蔵する博物館として知られています。

本展では、約130点の作品を第1章から第3章に分けて展示。古代エジプトにおいて世界はどのように生まれたと考えられていたか、日本では単なる王様という印象を持たれていることが多いファラオが担った最重要の役割とは何だったのか、そして、古代エジプトの人々は死後どのようになると信じていたのか、について紹介します。

第1章 天地創造と神々の世界

古代エジプト社会では、全知全能の神々の力によって、空や雲、砂漠、風などの自然や、人間や獣、昆虫などの生物、そして太陽や月、星ぼしに至るまで、この世の全てが創造されたと考えられていました。

原初の海「ヌン」と呼ばれる暗闇が支配する混沌とした状態から、神々の意思により秩序ある世界が創造されたのですが、古代エジプト人は、この秩序をマアトと呼びました。

第1章では、神々の姿や、神々が創った森羅万象を紹介します。

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《セクメト女神座像》前1388~前1351年頃

セクメト女神は、エジプトを敵国から守るライオンの頭を持つ戦の女神です。

セクメト女神が座る低い王座の前面には、縦に2列の碑文があり、だ円形のカルトゥーシュ(*)には、これらの像を含む約600点の像を制作させたファラオであるアメンヘテプ3世の王名が記されています。

そこには、女神が王室の紋章を持った強力な支配者として現れ、アメンヘテプ3世が年老いて病気になった際、臨んだ健康と寿命を与えてくれるという表現が書かれているそうです。

*カルトゥーシュ:古代エジプト建築で、王の名を彫った文字を囲むだ円形のりんかく線のこと。

第2章 ファラオと宇宙の秩序

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《ハトシェプスト女王のスフィンクス像(胸像)》前1479~前1458年

宇宙の全体を支配するマアトは、絶対であり、各個人の人間が遵守すべきもっとも重要な道徳としても考えられていました。

人間社会のリーダーであるファラオは、社会の中でマアトを守り、実行する最高責任者でした。そのため、異民族の侵入やファラオに対する謀反といったようなマアトを揺るがす大きな事件に対しては、「善き神」であるファラオ自身が、強いリーダーシップをもってマアトを実践していくことが必要とされていたといいます。

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《王の書記ホリのステラ》前1126~前1125年頃

「ステラ」とは古代エジプトの石碑のこと。本作は、王の書記ホリという人物が古代エジプトでもっとも有名な聖地であるアビュドスに奉納したものです。

ホリは故郷のブシリスから王の使者としてアビュドスに来て、神々に王のために数多くの祭りを申し入れしたという報告が記されています。

第3章 死後の審判

古代エジプトでは、死者は、墓地の守護神でミイラ作りの神でもあるアヌビスにより、「二つのマアト(正義)の広間」に導かれると考えられていました。

古代エジプト人は考えたり思ったりする器官は脳ではなく心臓だと考えていたそう! そのため「二つのマアトの広間」では、死者の審判が行われ、死者の心臓はてんびんにかけられ、マアトを象徴する羽根と釣り合うか計られたといいます。

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《パレメチュシグのミイラ・マスク》後50~後100年頃

パレメチュシグという男性のものだとされるミイラ・マスク。メイル遺跡で出土しました。

部分的に金箔が貼られ、華美に装飾されたかつらを着用し、額にはカールした髪がかつらの下から見えています。

銘文は、デモティックといわれる民衆文字で表記されており、埋葬日に加えてエジプト風の書き方で、男性の名前やその父の名前が記されているそうです。

数ある展示作品のなかでも、本作は目を惹く作品の一つです。なお、本展は写真撮影OK! ぜひ、写真を撮ってSNSで共有してみてはいかがでしょうか。

※会場内のアニメーション映像のみ撮影不可です。

 

東京都江戸東京博物館からスタートし、京都、静岡と全国を巡回した本展。

八王子の東京富士美術館が最後の会場となります。1月16日まで開催中なので、ぜひお近くの方は足を運んでみてください。

Exhibition Information