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2025年3月26日
「ちひろのアルバム」展示風景
ちひろ美術館・東京の春の展覧会が、2025年3月1日(土)から始まりました。
ここでは、開催中の2つの展覧会の見どころと、新たに見つかったいわさきちひろの原画について紹介していきます。
西巻茅子 はじめての絵本 『ボタンのくに』そして『わたしのワンピース』展示風景
絵本『ボタンのくに』(1967年・こぐま社)や『わたしのワンピース』(1969年・こぐま社)を生み出した西巻茅子(1939-)の企画展が開催中です。
本展では、50年以上経ってもなお、子どもたちに愛され続けている『ボタンのくに』、『わたしのワンピース』の魅力を紐解きます。
西巻茅子 はじめての絵本 『ボタンのくに』そして『わたしのワンピース』展示風景
西巻のデビュー作『ボタンのくに』。
この絵本は、東京藝術大学に在学中のころから「絵本をつくりたい」と思っていた西巻に、こぐま社がアプローチして生まれました。
西巻茅子
『ボタンのくに』を生み出した当時について、セレモニーに登壇した西巻は以下のように話しました。
出版社からは「好きな絵を描いていらっしゃい」と言われました。でも、子どもに向けての本だから、何かテーマを考えないと、と思いまして。
そこで、子どものころ母の洋裁の道具のボタンや針、糸を使って遊んでいたことを思い出しました。
それらを絵に描いて持っていたら、これで絵本をやりましょうということになり、『ボタンのくに』が生まれたのです。
(左)西巻茅子《うさぎからきた手紙―子供のために―》1966年 (右)西巻茅子《いっぺんにきた春―子供のために―》1966年)
こぐま社では、手づくりのあたたかさを感じてもらうために、画家がジンク版(*)に絵を描き、それを版にしてリトグラフで出版する方法をとっていました。
*ジンク版:リトグラフなどにおいて、版材として使用される金属製の板のこと。高価で重く扱いが大変な石板石の代わりに使用されていた。
リトグラフならではの、線と色の重なりから生まれる鮮やかな作品を間近でじっくり鑑賞してみてください。
また、展示室では映像でリトグラフの制作の舞台裏も紹介。
こちらも貴重な映像資料です。お見逃しなく。
ちひろ美術館には、いわさきちひろが遺した60冊以上のアルバムが保管されています。
収められている写真の枚数は、なんと5000枚にのぼるのだそう。
そのなかには、ちひろの少女時代をはじめ、自らが撮影した旅先の風景、そして一児の母としての姿が収められています。
(上)いわさきちひろ《立てひざの少年》1970年/(下)立てひざのポーズをとる猛(3歳半)1954年10月
「ちひろのアルバム」では、ちひろの人生や時代背景を語る貴重な写真を多数展示します。
さらに、ひとり息子をモデルとした絵本『ひとりでできるよ』や、ちひろ自身の姿ととも重なる絵本『あかちゃんのくるひ』などの作品も写真と一緒に紹介します。
「ちひろのアルバム」展示風景
ふだんは図書室に置かれている、ちひろ愛用のソファーも今回は展示室内に移動。
家族との大切なひと時を過ごした写真と一緒に展示されています。
「ちひろのアルバム」展示風景
アルバムをめくるようなこの展示の中で、編集部もお気に入りの作品と写真を見つけました。
これは、ちひろとその母・文江を連れて画家たちとヨーロッパツアーに参加したときの写真とスケッチです。
皆さんも、ちひろが遺したアルバムからお気に入りの風景を見つけてみては?
2024年8月、いわさきちひろと縁の深い出版社、至光社にて、いわさきちひろの原画32点が新たに見つかりました。
この内の18点(*)を、東京と安曇野で3月1日(土)から初公開しています。
*東京展では7点、安曇野展では11点を展示。
(左)「きくのはな」「こどものせかい」(至光社)1959年11月号より 1961年/(右)「あめふり」「こどものせかい」(至光社)1958年6月号より 1959年
今回新たに収蔵された作品は、1958年から1962年までの5年間に絵本雑誌「こどものせかい」(至光社)に掲載されていた原画です。
ちひろが没して50年が経ちますが、これだけ質が高く、保存状態の良い作品がまとまって見つかるのは、大変珍しいとのこと。
いわさきちひろや絵本の研究にとっても貴重、かつ、歴史的価値のある作品です。こちらもお見逃しなく。
撮影:中川敦玲
春らしい優しい気持ちになれる、ちひろ美術館・東京の二つの展覧会について紹介しました。
豊かな自然に囲まれたちひろ自宅兼アトリエ跡に建てられたちひろ美術館・東京。
館内の「ちひろの庭」も、春らしい花が芽吹き始めています。
この春は子どもと一緒にちひろ美術館・東京で、アートに触れてみてはいかがでしょうか。