西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館/国立西洋美術館

初めてにも、一歩先の美術鑑賞にもオススメな展覧会【国立西洋美術館】

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2025年4月3日

初めてにも、一歩先の美術鑑賞にもオススメな展覧会【国立西洋美術館】

美術ジャンルの中でも、人気の高い西洋美術。
皆さんは、西洋絵画の展覧会へ行ったら、作品をどのように鑑賞していますか?

難しいことを考えず、ただ絵を楽しむ。
この鑑賞方法も決して間違いではありません。

でも「見かた」がわかったら、もっと鑑賞が楽しくなるかもしれない。そう思う方もいるのではないでしょうか。

なにか、鑑賞のヒントを得ることができる展覧会があれば・・・。
その願い、上野の国立西洋美術館で叶えてみませんか?

国立西洋美術館とサンディエゴ美術館(アメリカ)の共同企画の展覧会が、2025年6月8日(日)まで開催中です。

本展では、国立西洋美術館とサンディエゴ美術館の所蔵品計88点を組み合わせて、600年にわたる西洋美術の歴史を紐解きます。

作品をどのように見ると楽しめるのか。
西洋美術史をたどりながら、鑑賞者一人ひとりに作品を見比べてもらう、ユニークなテーマの展覧会です。

2つの美術館のコレクションを見比べる

フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》1602年頃 サンディエゴ美術館

サンディエゴ美術館は、1915年に開催されたパナマ=カリフォルニア博覧会の会場に1926年に開館しました。

同館ではアメリカをはじめ、ヨーロッパ、アジアなどの世界各地の美術品を収蔵しています。

なかでも、本展で紹介されているオールドマスター絵画(15世紀~18世紀絵画)のコレクションの核は、主に1930年代に実業家の娘、パットナム姉妹の資金援助を受けて築かれました。

そして、日本の国立西洋美術館は、実業家・松方幸次郎の収集したコレクションに基づき、1959年に設立されました。

ル・コルビュジエによって設計された建物は、世界遺産にも登録されています。

©国立西洋美術館

開館当初の収蔵品は、印象派を中心とした19世紀フランス美術に限られていました。

その後、1960年代末よりオールドマスター絵画の体系的な収集を開始。
以降、ヨーロッパの美術の歴史をたどれるようなコレクションの形成を目指し、収集活動を続けています。

(左)ヴィンチェンツォ・カテーナ《聖母子と幼い洗礼者ヨハネ》1512-15年頃 国立西洋美術館/(右)ヴィンチェンツォ・カテーナ《聖家族と聖アンナ》1520年頃 サンディエゴ美術館

サンディエゴ美術館と国立西洋美術館。こうして並べてみると、共通点がいくつかみえてきますね。

本展では、共通点の多い両館のコレクションから、同一作家の作品や、宗教画や風景画といったジャンルごとに並べて紹介。

両館のコレクションの新たな魅力を再発見する展覧会になっています。

異なる国で収集された西洋美術
どこが似ている?似ていない?

(左)マリー=ガブリエル・カペ《自画像》1783年頃 国立西洋美術館/(右)マリー=ギユミーヌ・ブノワ《婦人の肖像》1799年頃 サンディエゴ美術館

どちらも優れたコレクションを持つ、サンディエゴ美術館と国立西洋美術館。

両館のコレクションを並べて展示だなんて・・・今回の展覧会は、西洋美術の教科書を読むような難しいもの?思う方も多いのではないでしょうか。

いえいえ。そんな難しく構えないでください。
「どこみる展」のテーマは、作品をどのように見ると楽しめるか。

つまり、サンディエゴ美術館と国立西洋美術館のコレクションは「どこが似ている?」「どこが似ていない?」それを見比べることです!

(左)ペーテル・パウル・ルーベンス《眠る二人の子ども》1612年-13年頃 国立西洋美術館/(中央)ペーテル・パウル・ルーベンス《永遠(教皇権の継承)の寓意》1622-25年 サンディエゴ美術館/(右)ペーテル・パウル・ルーベンス《豊穣》1630年頃 国立西洋美術館(文化庁より管理換)

同じような構図、モチーフ、そして同じ作家が描いた作品。とっても似ているけど、どこか違う。
会場では、その違いをじっくりと探してみてください。

また、本展開催中、常設展では、サンディエゴ美術館所蔵作品より5点の絵画を特別に展示します。

ジョヴァンニ・ボンシ《バーリの聖ニコラウス》1365-70年頃 サンディエゴ美術館

こちらもお見逃しなく!

同時期開催の小企画展「梶コレクション展」もお見逃しなく

さらに、新館2階 版画素描展示室では、「梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美」が、6月15日(日)まで開催中です。

この耳慣れない「エマーユ」とは、フランス語のカタカナ表記で、英語ではエナメル、日本ではふつう七宝(しっぽう)と呼ばれています。

つまりエマーユとは、金属の下地にガラス質の釉薬(うわぐすり)を焼き付けた工芸品を意味します。

「梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美」展示風景

エマーユの最大の魅力は、鮮やかな色彩と繊細なきらめきです。

宝石と同じくらい美しい輝きを放つエマーユ作品も、「どこみる展」と一緒にお楽しみください。

「どこみる展」オリジナルグッズ

ぬいぐるみポーチ 1,980円(税込)

また、ミュージアムショップでは、本展オリジナルグッズも多数販売しています。

こちらは、SNSでも話題になった《神の仔羊》をモチーフにしたぬいぐるみポーチ。

展示作品と同じく、頭に天使の輪っかが付いたかわいらしいグッズです。

フランシスコ・デ・スルバラン《神の仔羊》1635-40年頃 サンディエゴ美術館

ミュージアムショップも、忘れずに足を運んでみてくださいね。

 

これから西洋美術に多く触れていきたい方はもちろん、ワンランク上の美術鑑賞を目指す方にもおすすめな本展。

会場の国立西洋美術館は、桜の名所として知られる上野公園内にあります。

お花見と一緒に、美術鑑賞も楽しんでみてはいかがでしょうか。