
ルネサンス美術/10分でわかるアート
2021年11月2日
Immersive Museum OSAKA 2025/堂島リバーフォーラム
没入感が味わえるイマーシブミュージアムの第3弾「Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵 ~ゴッホと北斎、モネと広重~」が、堂島リバーフォーラムで9月5日まで開催中です。
今回のテーマは「印象派と浮世絵」。
印象派・ポスト印象派のゴッホやモネ、そして日本を代表する浮世絵作家の葛飾北斎や歌川広重らの約80作品を没入型体験で楽しむことができます。
会場内には大小のクッションが用意されており、自由に使うことができる
イマーシブミュージアムとは、広大な屋内空間の壁面と床面すべてを埋め尽くす没入映像と、特別な音響体験を提供する新感覚体験型アートエキシビションのこと。
最近では演劇やアート、エンターテインメントのジャンルで世界的なトレンドにもなっています。
視覚のみで楽しむ従来の「鑑賞型」ではなく、音と映像を全身で感じる「没入型」は、まさに新しいアート体験。
堂島リバーフォーラムの高さ6m、約450㎡の巨大空間で、没入感を味わうことができます。
本編22分、フォトタイム4分×2カットからなる30分間のコンテンツがループ投影される
30分間のコンテンツがループ投影されるので、1度だけでなく何度も観るのもおすすめです。
自由に歩き回ったり、クッションに座ったり、自分のスタイルで没入映像を楽しんでみてはいかがでしょうか。
2023年にスタートしたイマーシブミュージアム。「印象派」「ポスト印象派」に続く、第3弾のテーマは「印象派と浮世絵」。没入映像には約80作品が登場します。
左は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」、右はフィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」
印象派は、西洋美術のなかでも人気の高いジャンルです。代表的な画家には“睡蓮”を描いたクロード・モネが挙げられます。
モネらをはじめとする「印象派」の画家たちに大きな影響を与えたと言われているのが、日本の「浮世絵」です。
浮世絵とは、大衆向けに大量生産されていた版画のこと。代表的な絵師には、葛飾北斎や歌川広重がいます。
写真中央・歌川広重の「不二三十六景 伊豆の海浜」
生き生きと描かれる庶民の生活や自然の風景、大胆なレイアウトやアングル、多色刷りによる鮮やかな色彩の浮世絵。
伝統的な宗教画を頂点とする西洋絵画とはまったく異なり、モネらは自らの絵画に浮世絵のエッセンスを取り入れていきました。
シーン01「江戸の町」のワンシーン。「熈代勝覧」は作者不明の作品
今回は、印象派の画家と浮世絵師たちの視点で名画を楽しむことができるように8つのシーンで構成しています。
シーン01「江戸の町」では、活気溢れる江戸を描いた「熈代勝覧(きだいしょうらん)」を最新映像技術で動画化。
活気に溢れた町のようすを観ていると、自分も江戸の町にいるような気分を味わえます。
また、シーン05「浮世絵の影響と構図」では、浮世絵の大胆な構図を実際に印象派の画家たちがどのように取り入れていたのか、作品を重ね合わせるようなシーンも。
モネの「睡蓮の池と日本の橋」と、北斎の「冨嶽三十六景 深川万年橋下」が重なる
まったく違うように思っていた「印象派」と「浮世絵」も、映像内で見比べてみると、同じ構図になっていることがよくわかります。
重なり合った名画は、まるで新しい作品のようにも思えてきます。
印象派から現代まで続く西洋絵画の発展は、「浮世絵なくしては語れないほどの影響を及ぼした」と言われている
独自の画風を築いたフィンセント・ファン・ゴッホも浮世絵をこよなく愛した一人です。
「星月夜」や「ひまわり」、「アイリス」などを描いてきたゴッホは、“浮世絵コレクター”でもありました。
力強く立ち上がる大波が印象的な「神奈川沖浪裏」だが、没入映像ではより迫力のある大波を感じることができる
シーン02「ゴッホの浮世絵コレクション」では、数百点近くに及ぶというゴッホのコレクションの一部を紹介。動くゴッホも登場します。
「もし今の世界にゴッホがいたら・・・」と思いを巡らせながら観るのも楽しそう。
動くゴッホ、お見逃しなく!
ミュージアムショップ
特設ミュージアムショップは、展示室外にオープン。
ここでは、没入映像内に登場する名画のポストカード5枚セット(900円)やマグネット(各900円)などが販売中です。
さらに出口近くには、「A I北斎」「A Iゴッホ」のブースがスタンバイ。
実はこのブース、葛飾北斎とゴッホの作風を学んだA Iがそれぞれのタッチや技法で、オリジナルの一枚を描いてくれるというもの。
写真右のAIゴッホが、椅子に座った人を認識すると、左のキャンバスへと描きはじめる。使用するカラーはその都度変わる
ゴッホの筆のリズムや浮世絵が一枚ずつ刷られていくようすを間近で楽しむことができます。
仕上がった作品はQRコードからダウンロード!来場の記念に体験してみてくださいね。
※別途、体験料500円がかかります。
同展は会場内すべてのスペースで撮影が可能です*。
*フラッシュ撮影や三脚の持ち込みなどはご遠慮ください。
おすすめは、会場全体を見回せるように引きのショット。動画だとより迫力あるシーンが残せますよ。
視覚を通した「見る」「鑑賞する」ということだけでなく、音と映像でその世界に「没入」できる新感覚体験型アート。
この夏ぜひ体感してみてはいかがでしょうか。