
ハプスブルク家/10分でわかるアート
2024年12月18日
吉原遊女に見るヘアスタイル/KOKUSAIBUNKA GALLERY 神泉
「縄文時代から現代までの日本人の美意識」をコンセプトとしたギャラリー「KOKUSAIBUNKA GALLERY 神泉」が12月にオープンしました!
同ギャラリーでは、ヘアスタイル・メイク・着付などの技術や歴史、変遷についての研究成果を元に、美容にまつわる多彩なテーマで企画展示を開催しています。
現在、遊女の艶やかな世界を紹介する「吉原遊女に見るヘアスタイル」が開催中です。
現在、NHKで放映されている大河ドラマ『べらぼう』。
江戸末期(安永~天明)の吉原遊廊に生きる人びとが描かれていますが、登場する女性たちが結っている髪型にも注目が集まっています。
江戸時代中期以降吉原、島原などの高級遊女(花魁)に結われた髪型「横兵庫(よこひょうご)」の再現展示。
左右の鬢(髪の結われた部分)が大きく張り出しているのが特徴です。まさに私たちがイメージする花魁ですよね!
左右の鬢に鯨の骨製の鬢差しを入れて張り出させ、灯籠のように毛筋が透けて見えるようにした「灯籠鬢(とうろうびん)」。
江戸の遊女たちに流行した髪型を、パーティー・スタイル風に表現した展示も。美容学校ならではの展示方法ですよね。
「吉原傾城 新美人合自筆鏡」は、『べらぼう』にも登場する北尾重政の弟子である北尾政演(まさのぶ)(劇作者・山東京伝としても活躍)が描いたもので、必見です。
繊細な筆づかいで細部まで丁寧に描かれた美人画からは、当時の吉原のようすがうかがい知れるだけでなく、灯籠鬢を結った遊女が描かれており、髪飾りのあしらい方、また遊女の格や年齢による違いが見て取れます。
本展は、吉原における風俗文化の一端を、かつらや浮世絵などの資料から紹介します。
本展は、8月29日までの開催。その後もさまざまな企画展を予定しているそうです。
アクセスも神泉駅から5分ほどの好立地です。日本の美容史に興味のある方は是非チェックしてみてください!