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2025年9月29日
特別展「世界遺産 縄文」/京都文化博物館

京都文化博物館にて、特別展「世界遺産 縄文」が開催中です。
土器を使って定住し、狩猟・漁撈・採集・栽培を中心として食料を獲得していた時代を縄文時代と言います。
縄文時代は約16000年前から約2400年前までの1万年以上続きました。
地球規模で変化する自然環境や次々と襲ってくる災害をのり越えながら、縄文人はその時々にその地に適応し自然と共生しながら暮らしてきました。
2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコ世界遺産に登録されました。
本展覧会では、北の縄文文化”一万年”、縄文人の”一生”、縄文の”一年”という3つの時間軸で縄文人に迫ります。
気候の温暖化で旧石器時代は終わり、縄文時代の人びとは定住生活をするようになり、土器も作られるようになりました。
やがて地域の多くの人々による共同作業を営む大規模集落が形成されました。青森県青森市にある三内丸山遺跡は、その代表例です。

左から:現資料:重要文化財「編籠[複製] (縄文ポシェット)」原資料:三内丸山遺跡 青森県青森市 縄文中期 三内丸山遺跡センター蔵 ヒノキ科の内樹皮を薄い紐状にして袋形に編んだもの/「掘立柱建物の木柱」三内丸山遺跡 青森県青森市 縄文中期 三内丸山遺跡センター蔵 クリ材を石斧で加工したもので、最下部が腐らずに残ったもの
気候の寒冷化で人口が減少し大規模ムラの維持管理が困難となると、小さな村に分散していきました。
ムラから離れた地に共同墓地である石を円環状に配置した「環状列石(ストーンサークル)」を作り、祭祀や儀礼行為が行われたようです。

秋田県指定文化財「板状土偶」伊勢堂岱遺跡 秋田県北秋田市 縄文後期 北秋田市蔵
遮光器土偶が5体と複製2体に、国宝土偶も展示されます。
※10/21-31には、国宝土偶の展示はありませんので、ご注意ください!
遮光器土偶は、東北地方の広い範囲で同じような形のものが発見され、作り方や精神性を共有していたことを示しています。

青森県重宝「遮光器土偶」八日町遺跡 青森県三戸町 縄文晩期 青森県立郷土館蔵 風韻堂コレクション
北方の民族が雪の反射光を防ぐために使う道具が「遮光器」です。土偶の目がそのように見えることから「遮光器土偶」と名付けられました。

重要文化財「遮光器土偶」手代森遺跡 岩手県盛岡市 縄文晩期 文化庁蔵(岩手県立博物館保管) まるで王冠を被っているようです。
独立ケースに展示され360度からその造形を観ることが出来ます。

国宝「縄文の女神」 西ノ前遺跡 山形県船形町 縄文中期 山形県立博物館蔵 [10月4日~19日までの展示] 高さが45㎝あり壊れた部分のない土偶としては日本最大です。
土偶のほとんどは女性をかたどったものです。子孫繁栄を願うも、縄文時代出産は危険が伴い、子が元気に成長することは容易なことではなかったでしょう。

左から:妊娠した女性として乳房とお腹を強調した「土偶」漆下遺跡 秋田県北秋田市蔵 縄文後期 北秋田市/大きな乳房と膨らんだお腹で妊娠を表現した「土偶」椛の木遺跡 岩手県一戸町 縄文後期 一戸町教育委員会蔵
しゃがんで腕を組むあるいは手を合わせる土偶の姿は、祈りの象徴や座って出産する「座産」や分娩や胎児、亡くなった人を表現しているなどと考えられ、縄文人の特別な願いが込められています。

重要文化財「しゃがむ土偶」上岡遺跡 福島県福島市 縄文後期 福島市蔵 出産を表現したものと考えられています。
乳幼児やの手形や足形土製品にみる縄文人の子どもへの思い。

左から原資料:重要文化財「手形・足形土製品(複製)」原資料:大石平(1)遺跡 青森県六ケ所村 縄文後期 青森県立郷土館蔵 乳幼児の手形足形/「足形(複製)」原資料:垣ノ島遺跡 北海道函館市 縄文早期 函館市教育委員会蔵 1歳前後の子どもの足形で埋葬者の形見として一緒に納められたと考えられています
生きる糧であり、隣人であり、祈りを捧げる神獣であった動物を丁寧に造形したものも。

左から:「クマ形土製品」尾上山(1)遺跡 青森県弘前市 縄文晩期 青森県立郷土館蔵 風韻堂コレクション、「クマ形土製品」三内丸山(6)遺跡 青森県青森市 縄文後期 青森県埋蔵文化財調査センター蔵
縄文時代の遺跡からは、装身具や入れ墨やおしゃれな髪形をした土偶なども発見されています。
発掘された人骨の状態から縄文人の病気や怪我、寿命なども読み取る事が出来ます。縄文人の埋葬、墓には再生と循環思想の考え方が反映されています。
周囲の自然の恵みを食料や生活材料として里山、里海を育み、多様な地域に適した文化を発展させ、一年を通じ持続可能な社会を作り上げていました。
自然が繰り返し再生していくことを願い、まつりを行って神々や先祖に祈りを捧げました。非日常的なまつりは、人々との新たな絆を深める大切な行事で、縄文人の精神世界の一側面も伝えています。

「クルミが入った籠」鷺内遺跡 福島県南相馬市 縄文晩期 南相馬市教育委員会蔵
1万年という長き時間の流れの中で育まれた縄文社会には、自然と共生する豊かな生活がありました。

