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2025年9月29日
柚木沙弥郎 永遠のいま/東京オペラシティ アートギャラリー

「柚木沙弥郎 永遠のいま」が、東京オペラシティアートギャラリーにて開催中です。
2024年に101歳の生涯を閉じた染色家、柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)。柚木ならではの温かみのある作風は、今でも多くの人びとを魅了しています。
75年ものあいだ創作活動を続けた柚木の、創作の全貌を紹介する展覧会です。
柚木沙弥郎は1922年生まれ。
祖父は日本画家、父は洋画家という芸術一家の次男として育ちました。
終戦後、岡山県倉敷市の大原美術館に勤めている中で、柳宗悦(やなぎ むねよし)の民藝理念と出会います。

これがきっかけとなり、型染めのパイオニアである芹沢銈介(せりざわ けいすけ)に弟子入り。染色家としての道を歩き始めます。
柚木は75年ものあいだ創作活動を続けてきましたが、大きな功績といえば、「広幅注染」という技法を成功させたことです。
それまで、浴衣や手ぬぐいといった幅の小さい布に使われていた技法を、広幅の布へ応用。

これによりカーテンや洋服といった大型のものに染めを施せるようになりました。
型染めの伝統を現代へ繋いでいったのですから、すごい功績ですよね。

会場では、色とりどりの幅広布を展示。柚木ならではの生命感と色彩あふれる模様が見どころです。
自然からインスピレーションを得たダイナミックなテキスタイルからは、「自然への感謝」「生きる喜び」が感じられます。

染布はもちろん、版画や挿絵、立体造形など、ジャンルにとらわれずに、自由な心で創作を楽しんだ柚木の世界が味わえますよ。
国内外ゆかりの都市をテーマとした展示も。
柚木の人生を語る上で欠かせない土地と言えば、民藝と出会った岡山県。他にも青春時代を過ごした長野県や、染色の修行を積んだ静岡県など。日本各地で生まれた柚木作品が今も大切に受け継がれています。
また国内だけでなく、海外への旅も、柚木の創作や人生に影響をあたえるものでした。

旅をもとに残されたスケッチや各地の品々を展示。
美しい町には本当の暮らしがあると語った柚木の、旅先へのまなざしを垣間見ることができます。
101歳という長寿をまっとうした柚木。
長い生涯の中で、柚木のものづくりは常に生活とともにありました。

時代が変わっても、その時の暮らしを豊かにできるような作品であること。
「いま」にこだわり、人生を楽しんだ柚木の作品はこれからも人びとの生活に寄り添い続けてくれそうです。
2010年代以降は、東日本大震災や新型コロナウイルスなど、これまでの生活や考えを大きく変える出来事がありました。
この頃、柚木が「いのちの旗じるし」「いのちの樹」をテーマに制作された作品も。


戦争という大きすぎる経験をした柚木からの力強いメッセージを、感じ取ってみてください。
また、生前最後の作品も。

自らの手を動かして作品を生み出すことは、柚木の生活そのものでした。
柚木が伝える最後の「いま」が伝わってきます。
ただ温かみのある素敵なデザインというわけでなく、人生を楽しむこと、生活を豊かにすることを教えてくれる、先生のような存在でもある柚木沙弥郎。
東京オペラシティの天井高の展示空間とダイナミックな作品がうまく調和しています。
この機会をぜひお見逃しなく。