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2024年11月21日
モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に/ポーラ美術館
自然豊かな箱根に建つポーラ美術館は、2002年9月6日に開館しました。以来、ポーラ創業家二代目の鈴木常司(1930-2000)が生前約40年かけて収集したコレクションをもとに、さまざまな企画展を開催しています。
2022年ポーラ美術館は、開館20周年を迎えます。同館では現在、館全体と隣接する森の遊歩道まですべてを会場とした展覧会「モネからリヒターへ― 新収蔵作品を中心に」が開催中です。
©Ken KATO
ポーラ美術館のコレクションを代表するクロード・モネ《睡蓮》など印象派作品のほか、新たに収蔵した作品を一挙に公開する本展。ここでは、本展の見どころをピックアップして紹介していきます。
※展覧会詳細はこちら
ポーラ美術館の収蔵品の基礎を作ったポーラ創業二代目の鈴木常司のコレクションは、西洋・日本とも19世紀から20世紀の近代絵画が中心となっています。
展覧会の第1部では、鈴木常司が収集したコレクションと新収蔵作品をテーマや年代、作家ごとに組み合わせて紹介します。
©Ken KATO
印象派絵画ではルノワール《レースの帽子の少女》やレジェ《鏡を持つ女性》などの女性像や、モネ《睡蓮》など風景画といったテーマに分けて展示。ここでは、新収蔵品のベルト・モリゾ《ベランダにて》に注目します。
ベルト・モリゾ《ベランダにて》1884年 ポーラ美術館
印象派の女流画家であるベルト・モリゾは、高級官僚の三女として生まれました。当時の裕福な家庭の女性は、たしなみとして絵画を習うことが必須だったといいます。
モリゾも姉たちと一緒に絵を習い始めると、絵画教室の先生に「この子は才能がある!」と言われたのだそう。その後、モリゾは風景画の巨匠であるコローに学び、ついでマネの弟子となりました。しかし、当時の女性は制約が厳しく、戸外に出て絵を描くことが難しかったといいます。そのためモリゾの作品は、室内から見る風景が多く描かれています。
今回、ポーラ美術館が新たに収蔵した《ベランダにて》もそのひとつです。本作はモリゾが家族で滞在したパリ郊外のブージヴァルで、1884年の夏に制作された作品です。
画面中央にいる少女はモリゾの一人娘ジェリー・マネで、彼女の姿が明るく柔らかな色彩と素早い筆致で描かれています。
第2部では同館の従来のコレクションに含まれていない、近代と現代を結ぶ作家たちの作品を紹介します。
同館が初めて収蔵する作家の名作が数多く含まれているため、コレクションの新たな展開がよくわかる内容になっているとのこと。本展のタイトルにもなっている「モネからリヒター」の展示は見逃せません。
(左)ゲルハルト・リヒター《抽象絵画(649-2)》1987年
(右)クロード・モネ《睡蓮》1907年 いずれも、ポーラ美術館
現代絵画をけん引する作家の一人であるゲルハルト・リヒター。その画業の初期は写真を利用した具象的な絵画制作を展開していたといいます。1970年代後半に、のちのライフワークとなる「抽象絵画」シリーズを制作するようになりました。
同館が新たにコレクションに加えたリヒターの《抽象絵画(649-2)》は、スキージという主にシルクスクリーンに使用される先端にゴムのついた板を使用し、絵具を塗り重ねて描いています。
多彩な色が複雑に重なり合いつつも、どこか日の光のような明るさを感じる本作。モネ《睡蓮》と並んで展示されることで、作品への理解が深まるようです。
箱根の国立公園にとけこむように立つポーラ美術館。同館をぐるりと囲む箱根の豊かな自然を利用した全長約1kmの「森の遊歩道」は、四季の草花のほかにも季節を告げる鳥たちのさえずりが聞こえてくる癒しのお散歩コースです。
鳥葬(箱根)2017-2018年 鋳放しの鋳造ガラス ポーラ美術館
Photo: Koroda Takeru © Roni Horn
そんな森の遊歩道にも、多くのアート作品が展示されています。そのうちのひとつであるロニ・ホーン《鳥葬(箱根)》は、彼女の近年の代表作であるガラス彫刻のシリーズです。
水を湛えた巨大な器のようにみえる本作。実は、5トンものガラスの塊なのだそう! 大きな鋳型に溶けたガラスを流し込み、長い時間をかけてゆっくりと冷却することで、重さを感じさせない透明感を作り出したといいます。
森林浴が気持ちよくなる今の季節。美術館とあわせて森の遊歩道でのアート鑑賞もおすすめです♪
ポーラ美術館全館と森の遊歩道を会場とした、同館史上最大の超大型企画展となる本展。
同館コレクションの「現在(いま)」を堪能できる内容でした。春や夏の長い休暇の際は、箱根でアートな一日を楽しむお出かけプランを組んでみてはいかがでしょうか。