塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目
2024年10月3日
日本のデザインをつなぐプロジェクトが始まりました。その名も「DESIGN MUSEUM JAPAN」。
DESIGN MUSEUM JAPAN展 展示イメージ
このプロジェクトの一環として、第一線で活躍するクリエーターがリサーチした〈デザインの宝物〉を紹介する展覧会「DESIGN MUSEUM JAPAN展」が、国立新美術館にて11月30日(水)より開幕します。
「DESIGN MUSEUM JAPAN」は、NHKが制作した「デザインミュージアムをデザインする」(Eテレ)という番組から始まりました。
この番組では第一線で活躍するクリエーターたちに「日本にまだないデザインのミュージアムをあなたが作るなら、どんなものを作りますか?」と問いかけてきたそうです。
その中から浮かび上がってきたアイデアが、日本各地にある素晴らしい〈デザインの宝物〉をつなぐことでした。
実は私たちのまわりには豊かデザインがあふれていて、日々の暮らしに豊かさや活力を与えているのです。
このプロジェクトは、番組や展示を通じてまだ日本に存在しないデザインミュージアムの姿を浮かび上がらせようとするものです。
本展では、地域ごとに日本を代表する13人のクリエーターが〈デザインの宝物〉のリサーチを行い、日本全国、北は岩手の八戸から、南は鹿児島の奄美まで、クリエーターたちが見つけたさまざまな〈デザインの宝物〉を紹介します。
本記事では一部のクリエーターをご紹介します。
建築家の田根剛は、縄文時代中期の集落群を基にした岩手県の御所野縄文博物館をリサーチ。
日本は縄文時代より1万年以上ものあいだ独自の生活文化を育んできました。
展示では、田根のリサーチ映像や御所野遺跡から出土した土器などを展示し、1万年前のムラの暮らしにすでにあった〈デザイン〉に迫ります。
DESIGN MUSEUM JAPAN展 展示イメージ
また、田根は本展の会場デザインもあわせて担当。こちらにもぜひ注目してみてください。
デザイナーの皆川明は、山形県の「山形緞通」の製造現場をリサーチ。
「緞通(だんつう)」と呼ばれる手織りで作られる厚みのあるじゅうたんは、戦前に中国から導入され、日本の生活様式に合わせて改良されました。
こちらは1センチ織るのに1日かかることもあるのだとか!
山形のリサーチの様子・山形緞通
会場では皆川がデザインした試作中の緞通などが展示され、緞通の制作過程を実感することができます。
また講座番組やオンラインでの取り組みなども豊富にあります。
講座番組「NHKアカデミア」の第9回には皆川明が登壇し、「世代を超えて愛され続ける」モノづくりに込めた思いを聞くことができます。
講座内では皆川に直接質問できるコーナーがあるそう!このオンライン講座は現在参加者を募集中。詳細は公式サイトをご確認ください。
クリエーターのリサーチは、まず今年度実施した8地域の各地域で番組として放送。
10~11月に、それぞれの地域で展示したのち、11月30日(水)より開幕する東京展で、昨年度先行実施した5地域の分とあわせて一堂に会します。
来年以降は海外3地域での巡回も予定しているそうです。
また、12月10日(土)15:05~15:50に特集番組「DESIGN MUSEUM JAPAN」が放送予定です。
まだ日本にはないデザインミュージアム。
日本のデザインの素晴らしさを改めて考える良いきっかけになりそうですね♪
さらに入場が無料となっていますので、気軽にお出かけしてみてはいかがでしょうか?