2022年12月2日

京都・智積院が秘蔵する名宝が六本木に【サントリー美術館】

「京都・智積院の名宝」展/サントリー美術館

弘法大師空海(774-835)から始まる真言宗智山派(ちさんは)の総本山である智積院(ちしゃくいん)。長谷川等伯(1539-1610)率いる一門によって描かれた金碧障壁画群を、今日まで大切に守り伝える寺院です。

智積院の貴重な障壁画群を初めて寺外で同時公開する展覧会が、サントリー美術館で開催中です。

本展では、国宝《楓図》《桜図》などの有名な障壁画群のほか、仏堂を荘厳する仏教美術の貴重な優品に至るまで、智積院が秘蔵する多彩な名宝を一堂に公開します。


智積院の有名な障壁画群を寺外で初めて同時公開!

智積院は室町時代中期に、紀州(現・和歌山県)の根来寺(ねごろじ)山内に創建された真言宗智山派の総本山です。

現在の京都の地は、徳川家康から賜った寺領なのだそう。かつて江戸時代には、全国各地から僧侶が集まり、そして修行に励み多くの学僧を輩出したことから「学山智山(がくさんちさん)」とも称されています。


(左から)長谷川等伯 国宝《楓図》 桃山時代 16世紀 智積院/長谷川久蔵 国宝《桜図》桃山時代 16世紀 智積院

展覧会の目玉となる障壁画群は、長谷川等伯らによって桃山時代に制作され、後に智積院が受け継いだものです。本展では、寺外では初の試みとして国宝《楓図》《桜図》《松に秋草図》を一挙同時に展示!

また、等伯の傑作とされる国宝《松に黄蜀葵図》を寺外初公開します。


(左から)長谷川派 国宝《雪松図》桃山時代 16世紀 智積院/長谷川等伯 国宝《松に黄蜀葵図》桃山時代 16世紀 智積院

智積院に集まった東アジアの名品

江戸幕府と密接な関係があった智積院には、歴代の能化(のうけ/住職)や有力者たちからさまざまな名品が寄進されました。

本展では障壁画群と合わせて、智積院に集まった東アジア・中国美術から日本近世絵画の名品など、多彩な寺宝もあわせて展示します。


《七宝双鳳牡丹文洗》明時代 16~17世紀初頭 智積院


(左から)《花鳥図》明時代 16世紀 智積院【展示期間:11/30〜12/26】/薛仁《漁夫図》明時代 16世紀 智積院【展示期間:11/30〜12/26】

現在、智積院を代表するこれらの作品の大半は、歴代能化たちによって寄付されたものなのだそう。その中でも多くの品々を智積院に寄付しているのが、第七世運敞(うんしょう)です。

交友関係が広い人物であった運敞。智積院が守り伝える中国・朝鮮美術の寺宝や茶道関連の什物も、彼が広い交友関係の中で手にして寄付したものだと考えられています。


展示風景

また、学問の場でもあった智積院には、宗派を問わない数々の名宝が残されています。そうした智積院内の仏教儀礼において荘厳してきた、貴重な仏画や曼荼羅(まんだら)、経典も紹介します。

智積院に縁の深い二人の巨匠の作品と桃山美術のコラボも

本展では、京都画壇で活躍した智積院に縁の深い二人の巨匠、土田麦僊(つちだばくせん)と堂本印象(どうもといんしょう)の作品とあわせて、智積院ゆかりの工芸作品を展示します。


(左から)土田麦僊《朝顔図》昭和9年(1934)智積院/狩野信之《雀・鶏・鶉図》江戸時代 17世紀 智積院


(奥)堂本印象《松桜柳図》昭和33年(1958)智積院/(手前)《網干片身替蒔絵螺鈿行厨》桃山時代 16世紀 智積院【展示期間:11/30〜12/26】

智積院の障壁画に学び影響を受けて制作されたと考えられる麦僊、印象の作品。通常は非公開となっている二人の作品を本展では、間近で観ることができます◎

近現代の作品と古くから同寺で守り伝えられてきた名宝のコラボレーションも、ぜひ展示室で体感してみてください。


(奥)堂本印象《婦女喫茶図》昭和33年(1958)智積院/(手前)《輪宝羯磨文戒体箱》江戸時代 17世紀 智積院【展示期間:11/30〜12/26】

京都・智積院の寺外でこれだけの名品が一堂に揃うのは初めてとのこと。

二度とあるか分からない、この貴重な機会をお見逃しなく。

Exhibition Information

展覧会名
「京都・智積院の名宝」展
開催期間
2022年11月30日~2023年1月22日 終了しました
会場
サントリー美術館
公式サイト
https://www.suntory.co.jp/sma/