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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
ダムタイプ《WINDOWS》
東京駅近くにあるミュージアムタワー京橋。低層階にはアーティゾン美術館があり、高層階はオフィスとなっているこちらの建物で、「WORK with ART プロジェクト」というプロジェクトがはじまりました。
アートと共に働くオフィスとはどのような場所なのでしょうか?
「WORK with ARTプロジェクト」は、オフィスビルの共有スペースにアート作品を展示することで、より創造的な働き方を促進する試み。働く環境に新しい視点をもたらすことを目的としています。
ミュージアムタワー京橋 エントランス
プロジェクトを手がけたのは、「ミュージアムタワー京橋」を所有・管理する永坂産業(1960年に当時のブリヂストンタイヤから不動産経営を分離継承する目的で設立した企業)。
ブリヂストン創業者・石橋正二郎が、都会の近代的なビルの中にブリジストン美術館(現・アーティゾン美術館)をつくったことが「WORK with ART」の原型と捉え、仕事とアートを結びつけるコンセプトを考案したといいます。
プロジェクトの第一弾となる今回の試みには、アートコレクティブ「Dumb Type(ダムタイプ)」、エンジニア集団「nomena(ノメナ)」、作曲家 高橋琢哉、インテリアデザインオフィス「I IN (アイイン)」という、異なるジャンルの4組のクリエイターが携わりました。
エントランスロビーには、ダムタイプによるパブリックアート《WINDOWS》が展示され、この作品は屋外からも鑑賞できます。
ダムタイプ《WINDOWS》2024
ビルの外からも鑑賞できる作品です
この作品は、世界各地のライブカメラ映像を撮影された土地の緯度・経度にマッピングし、地球儀のように一つの「窓」として再構成したもの。
ディスプレイはビルの内側と外側に向けた2面で構成され、地球の表裏が表現されています。1日が24秒で表現され、毎日新たな1日分の映像が追加されていきます。
ダムタイプ《WINDOWS》2024
ダムタイプは、2022年のヴェネツィア・ビエンナーレで、インターネット空間を基調としたコミュニケーションのあり方に問いを投げかけた作品《2022》を発表。今回は、この作品を発展させるかたちで、さまざまな視点から地球を捉え直す作品として制作しました。
ダムタイプ《WINDOWS》2024
ダムタイプがパブリックアートを手がけるのは本作品が初めての試みです。ダムタイプのメンバー 高谷史郎は、今回のプロジェクトが目指す「発想の転換」や「視線の変換」は、彼らの作品にとってもとても重要なキーワードであると語りました。
1階から3階をつなぐエスカレーターでは、nomenaの監修による音響作品《Nature Soundscape》がささやかに聞こえてきます。
オフィスへと向かうエスカレーターの空間をポジティブな体験にするため、エスカレーターの機械音を音楽の一部として捉えられるような音とすることをコンセプトに制作されました。音楽は高橋琢哉が手がけています。
nomena + 高橋琢哉《Nature Soundscape》2024 が展開されるエスカレーター
エスカレーターを上がった先にある3階のオフィスロビーは、「武蔵野の森」をイメージした植栽を中心に、待合スペース、ワークスペース、ミーティングスペースが配置された心地よい空間となっています。
3階オフィスロビーのようす
空間設計を担当したのは、I INの湯山皓。リニューアル前からあった空間や作品も活かすかたちで照明の変更を行ったほか、このビルのデザインの中で特徴的なルーバーに着目。そのデザインをセラミックで再現し、インテリアとしても取り入れました。
ミュージアムタワー京橋のルーバーをモチーフにしたインテリア
また、この空間では、水の音や虫の声なども静かに聞こえてきます。この音は季節やその日の天候によって変化し、例えば雨の日には、雨音をイメージした音が穏やかに空間を包み込みます。
こちらの音響作品も、nomenaが監修し高橋琢哉が楽曲を提供。空調の効いたビルの中で働いていると外の天気なども忘れがちですが、音を介して、人と自然を緩やかにつなぎます。
流麻二果《繁り栄え Air of Prosperity》2019
なお、こちらでは以前よりこのビルに設置されていた流麻二果によるペインティングや、久野彩子による彫刻作品も展示され、働きながら自然にアート作品に触れられる場を創り出しています。
ミュージアムタワー京橋の隣には、2024年11月にTODA BUILDINGも開業。「アートと文化が誰にも近い街」をコンセプトとした「京橋彩区」として、オフィスとともに、ミュージアム、ギャラリー、イベントホールなど、芸術文化に関わるさまざまな施設が集まるエリアとなりました。
そうした環境の中で、アートとオフィスを融合させる試み「WORK with ARTプロジェクト」は、働くひとの創造性向上に向けて、長期的に模索していく予定とのことです。
左から nomena 武井祥平、ダムタイプ 高谷史郎、株式会社永坂産業 代表取締役 髙橋康紀、ミュージアムタワー京橋 管理統括マネージャー 久郷幸夫、I IN 湯山皓