開催中
爲三郎記念館 特別展
光彩の径 加藤令吉展
背戸窯の22代目として生まれた加藤令吉は、父・加藤釥に若い頃より伝統技法を叩き込まれ、その基盤の中に現代の要素を取り入れた作風を展開させてきました。伝統を受け継ぎつつも、自分の作陶世界を追及する歩みには、常に斬新な視点と洗練された感性がありました。また大学時代より憧憬するクリムトの作品に触発され、陶と金属の融合を作陶のテーマとしてきました。異素材の融合は、加藤令吉の装飾性を高め、現在では作者の代名詞でもあります。
過去作には、大胆なフォルム展開と、土自体に彫刻を施す装飾方法が取られており、造形と土本来の力強さが感じられます。そして次第に器に文様を描きこんで装飾するという方法に大きく変化し、黒釉金銀彩や幻青シリーズへと発展してきました。それは「融合しないものを融合させること」を主題に、鉄の顔料を用いた器体に赤や金彩の文様をほどこした表現であり、新たな挑戦でした。施された文様はいずれも幾何学的なもので、かねてより作品に漂っていたモダンな雰囲気が、さらに洗練されて表出されました。そして多色による装飾の表現から、近年、新たに編み出した表現は単色による幽玄な世界でした。それは白を基調とした地に金彩で装飾を描き出すスタイルで、装飾と造形、その二つが融合した新たな世界を見ることができるのです。初期作と新作を展示する本展では、スタイルを幾度と変えながらも、一貫して追求した伝統の手法と陶魂に裏打ちされた斬新で自由豪放なエネルギーをお楽しみください。
Event Information
- 展覧会名
-
爲三郎記念館 特別展
光彩の径 加藤令吉展
- 開催期間
- 2025年10月25日~12月21日
- 開館時間
- 10:00~17:00
- 休館日
-
月曜日
ただし、11月3日、24日(月・祝)は開館、翌4日、25日(火)休館
- 入館料
大人1,200円、高・大学生500円、中学生以下無料(古川美術館との共通券)
- お問い合わせ
Venue Information
- 会場
- 古川美術館
- 主催
- 公益財団法人古川知足会