これから開催

写真術の系譜

―初期写真技法から実験的オルタナティブへ―

マイク・ウェア
「最後の晩餐の舞台,シチリア島ペトラリア・ソプラナ」
(ニュークリソタイププロセス)2009年

ウジェーヌ・アジェ
「リュクサンブール公園,マルグリット・ド・ナヴァル」
(アルビューメンプリント)1900年頃

新井 卓「川俣のヤマユリ,2017 年7 月13日」
©Takashi Arai, courtesy of PGI
(ダゲレオタイプ)2017年

アーヴィング・ペン
「シガレット No. 37,ニューヨーク」
(プラチナパラジウムプリント)1972年

ピエール・コルディエ
「フォト・ケミグラム,ロバート・キャパへのオマージュ」
(銀色素漂白現像方式)1981年

郎静山「禽雙枝瓊」
(ゼラチンシルバープリント)1950年頃

本展は、19世紀に誕生した初期写真術から、現代の新たな表現手段として注目される「オルタナティブプロセス(代替的技法)」までを包括的に紹介する展覧会です。写真史の進展と並走し、互いに影響を与え合いながら発展した多種多様な写真術の変遷をたどり、各時代を彩り視覚表現の地平を切り開いてきた名作の数々を紹介します。

現在、日常から芸術の現場に至るまで、インクジェットやレーザー露光によるデジタルプリントが主流となっています。しかしその一方で、手仕事によるオルタナティブプロセスは、高精細なデジタルネガから印画紙に焼き付けるといったハイブリッドな手法を取り入れることで、現代写真における極めて重要な表現技法としてその可能性を拡大しています。

本展の導入では、現代のオルタナティブプロセス写真を牽引する研究者、マイク・ウェアの作品を取り上げます。緻密な化学的探求と芸術的感性が結実した作品群は、科学とアートの融合がいかに豊かな視覚体験をもたらすかを物語っています。

続くセクションでは、写真史の黎明期を伝える貴重な作品群が並びます。鏡のような銀板に像を定着させたダゲレオタイプ(銀板写真)の神秘的な輝きをはじめ、ウジェーヌ・アジェがパリの街並みを捉えたアルビューメン(鶏卵紙)プリント、エドワード・カーティスのオロトーン、エドワード・スタイケンのフォトグラヴュール、アーヴィング・ペンのプラチナパラジウムプリントといった巨匠たちの名作を展示します。それぞれの技法が持つ固有のトーンや物質的な深み、光の捉え方の違いを比較します。

さらにその先では、安井仲治や梅阪鶯里、ノーマン・ロックス、ピエール・コルディエら、写真の境界線を果敢に拡張しようとした国内外の作家による実験的アプローチを紹介し、現代の最新写真術へと繋ぎます。

初期から現代にいたる写真術の特徴と変遷をたどり、これからの新たな写真の未来を想像するきっかけとなることでしょう。
一枚一枚に込められた光と物質の記憶、そして作家たちのあくなき探求の軌跡をぜひ会場でご堪能ください。

Event Information

展覧会名
写真術の系譜
―初期写真技法から実験的オルタナティブへ―
開催期間
2026年11月20日~2027年1月27日
開館時間
10:00~19:00
休館日
木曜日、日曜日、年末年始:12月27日~1月3日、1月11日、1月15日、1月16日、1月17日
入館料

無料

公式サイト
http://www.shadai.t-kougei.ac.jp/
お問い合わせ

メールでのお問い合わせはこちら

Venue Information

会場
写大ギャラリー
主催
東京工芸大学芸術学部
関連活動

「Mike Ware’s Siderotype」
本展の関連活動として、オルタナティブプロセス研究の第一人者であるマイク・ウェア氏のシイデロタイプ(鉄塩写真)に関するZOOM を用いたオンライントークショーが開催されます。
主催:Japan & Australia Alt Connections
後援:東京工芸大学
日時:2026年11月23日(月・祝)18:00(日本時間)~
出演:Robert Poole、Pradip Malde 他(日本語字幕あり)
※参加登録はこちら