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2024年11月1日
【特別展】関東大震災―原点は100年前―/神奈川県立歴史博物館
2023年は、関東大震災が発生して100年にあたります。1923年の9月1日、何が起きたのでしょうか?
神奈川県立歴史博物館にて、関東大震災について紐解く展覧会が開催中です。
1923(大正12)年9月1日に起こった関東大震災。
マグニチュード7.9と推定される巨大地震と、それによって引き起こされた火災や土砂災害、津波などは、関東地方を中心に大きな被害をもたらしました。
こうしたあまりに大きい被害状況から、「関東大震災」の全貌を把握するのは難しいと言われています。
本展では、関東大震災を神奈川県の当時の状況や、震災後の地形・地質の変化、復興の道のりなどの観点から紹介します。
神奈川県立歴史博物館の旧館部分である旧横浜正金銀行本店本館も、関東大震災で被災しました。
神奈川県立歴史博物館の旧館部分である旧横浜正金銀行本店本館。
震災による火災で大きな被害を受けました。
地上3階地下1階建てだったこの建物は、地上部分が震災による火災で焼けてしまいましたが、地下部分は火が回らず無事だったそう。
周囲では多くの犠牲者が出る中で、この建物の中にいた人びとは地下へ逃げ込み、全員無事だったそうです。
旧横浜正金銀行本店本館は、関東大震災に直面した生き証人でもあります。
当時の写真や被害状況の資料などから、その被害の大きさ、そして復興に力を尽くした人たちのことなどを紹介します。
神奈川県は、関東大震災の震源域の中心に位置していました。
このことにより、多くの被害を受けた神奈川県ですが、震災後に復興していく中で、現在につながる都市の枠組みが作られたとも言えます。つまり、関東大震災を現代の「原点」のひとつ、と考えることもできるのではないでしょうか。
震災からおよそ10年が経ったころに描かれた「神奈川県鳥瞰図」。こちらは横幅4mに及ぶ図で、神奈川県の観光の魅力などをPRするために描かれました。
横浜や東京、箱根などの復興する街並みや交通網などが詳しく記されていて、現在とも重なり合うことが多いのに気づかされます。
最終章である「第3章 原点は100年前」では、大規模な土砂災害に見舞われた県西部での森林復旧工事や、震災後の産業復興策として導入された足柄茶などを解説。
関東大震災によって作られた原点について紹介します。
100年前の震災、と聞くと遠い昔で現実味のないことのようにも思えます。
しかし、この震災によって被害を受け、そして復興された現代の街並みに私たちは生きています。
実際に関東大震災で被災をした神奈川県立歴史博物館で、震災後の人びとの道のりを知り、思いをはせてみてはいかがでしょうか?