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2025年9月29日
国際芸術祭「あいち2025」
ムルヤナ《海流と開花のあいだ》2019年- 作家蔵
2025年9月13日より、国際芸術祭「あいち2025」が開催中です。
本展のテーマ「灰と薔薇のあいまに」のもと、62組のアーティストが世界中から集結。作品はアーティストがその目で見ている世界の状況をも色濃く映し出します。
愛知県内の全3会場をめぐり、アートを通じて複雑化していく世の中を新たな角度から見て考えてみませんか。
国際芸術祭「あいち2025」
2010年から3年ごとに開催されており、今回で6回目を迎えます。国内最大規模の国際芸術祭の一つであり、国内外から多数のアーティ…
愛知県
2025年9月13日~11月30日
本展は愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかの全三会場で同時開催。
今回は、「愛知芸術文化センター」内の展示をレポートします。
地下連絡通路から会場に入るとまず目に飛び込むのが、地下2階から地上2階まで4フロアをぶち抜く巨大なアート。
久保寛子《青い四つの手を持つ獅子》2025年
本作にキャンバスとして使用されているのは、なんとブルーシート。工業製品を使用することで、科学の発展による人間が地球にもたらした「負の側面」を強調しています。
戦争で破壊された街にキノコ雲を、破壊と創造を司る神・ヴィシュヌ神は一体どう見つめているのか。今世界を脅かしている人間の愚行に一石を投じる作品です。
会場10階では、エキゾチックな色合いの編み物が来場者を迎え入れます。
ムルヤナ《海流と開花のあいだ》2019年- 作家蔵
ムルヤナがかぎ針編みで描き出すのは、記憶のなかにある理想的な海。色鮮やかなサンゴ・海洋生物が泳ぐ光景は圧巻。
ムルヤナ《海流と開花のあいだ》2019年- 作家蔵
すぐそばには白骨化したサンゴがあり、世界が直面する海洋汚染について考えさせる作品となっています。
バーシム・アル・シャーケル 展示風景
イラク戦争での爆撃直後に見た光景を描いたバーシム・アル・シャーケル。天井に飾られた「Sky Recolution」をはじめ、作品のレイアウトは、大聖堂などの天井画を彷彿とさせます。
戦争というとどうしても暗く後ろめたくなりがちですが、彼は戦争の先にある未来への希望・生への喜びを、花火のような鮮明な色彩で表現することを選びました。
世界にはびこるあらゆる問題に対するアーティストごとの表現方法の違いも、本展のみどころです。
本展では絵や造形物以外にも、海外のパフォーマーによるステージが多数開催されます。
コンゴやサモア、ニュージーランドにチュニジアなど、本展の芸術監督フール・アル・カシミ氏に共鳴した世界各国のアーティストが登場。国内ではめったにお目にかかれない特別なパフォーマンスは必見です。
国際芸術祭「あいち2025」は、アーティストが持つメッセージ性の高さもさることながら、空間を贅沢に使った雄大さも見どころです。
大木島真木+アグロス・アートプロジェクト《明日の収穫》2017-2018年 作家蔵(青森県立美術館寄託)
森や大地などの自然から鳥類、鹿などの動物まで多彩なモチーフが登場した本作は、同じ星に生まれた生命の織りなす自然のサイクルを表現。
中央付近には人間の腕も。人間も地球が生み出した生命のサイクルの中のひとつに過ぎないと示唆しているのかもしれません。
アフラ・アル・ダヘリ《髪をほどいて》2020年 作家及びGreen Art Gallery蔵
アラブ首長国連邦のアーティスト、アフラ・アル・ダヘリ氏の巨大なロープでできたアートは、実際に触ることも可能。
聴く・触るなど絵を観るだけで終わらない最先端のアートの数々は、これまでモダンアートに触れてこなかった人びとをも惹きつける強いエネルギーを放ちます。
国際芸術祭「あいち2025」キービジュアル ©五十嵐大介
今回は愛知芸術文化センターの作品に焦点を絞ってご紹介しましたが、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなかにも多くの国内外のアーティストによる作品が展示されています。
愛知県陶磁美術館は黒人女性の主体性をめぐる問題を追究したシモーヌ・リーによる作品や、本展のために作られた西條茜の作品などを展示。
瀬戸市のまちなかは、閉校した小学校や旧銭湯、粘土の工場などが展示会場となり、瀬戸が持つロケーションの活用ぶりに注目です。
会場ごとに趣が異なるため、可能なら複数回にわけてすべての会場を巡りたいところ。
ちなみに、各会場を会期中何度でも訪問できるフリーパスはなんと3500円。1DAYパスが2100円のためたった2日で元がとれてしまう、破格のチケットです。
10階会場では五十嵐大介さんが描いたキービジュアルを使用した限定グッズが販売されているほか、1階には本展に参加しているアーティストの画集などを扱うコラボレーションショップ「TEMPORA」も期間限定でオープンしています。
国際芸術祭「あいち2025」は、三会場を跨いだ国内最大規模の国際美術展です。
名古屋市・瀬戸市観光のついでにアートをめぐるもよし、さながら万博のように海外のアートに思いを馳せるもよし。
国内外のアーティストが発するメッセージは、来場者に次の世代に素敵な未来をつなぐ「気づき」を与えてくれるはず。