これから開催
生誕100年記念展 Part2
Re:辻邦生――作家をめぐる人と世界(モノ)
1960年代から90年代にかけて活躍した作家・辻邦生(1925–1999)は、端正な文体と壮大な構想による歴史小説で知られ、今なお多くの読者に読み継がれています。
その文学は、小説という枠にとどまらず、美術、音楽、演劇など多彩な芸術文化と響き合いながら育まれました。文学は、作家ひとりの内面からのみ生まれるものではありません。人との出会い、場所の記憶、芸術との交感――そうした無数の経験の積み重ねによって、その世界はかたちづくられていきます。
学習院ミュージアムとしてリニューアル後、初めて開催する文学展「Re:辻邦生」。Part1では作家と作品、創作の歩みに焦点を当てました。Part2ではさらに視点を広げ、人とモノの記憶を通して、辻邦生という存在をあらためて見つめ直します。
哲学者・森有正、日本文学研究者ドナルド・キーン、作曲家・武満徹、俳優・仲代達矢、作家の宇野千代、大江健三郎、加賀乙彦、北杜夫ら同時代の知識人たちとの交流は、辻の思索を豊かにし、文学の枠を超えた創作の糧となりました。
また、建築家・磯崎新、彫刻家・宮脇愛子夫妻との親交も、辻を語るうえで欠かせません。磯崎の設計による軽井沢山荘には、森の木々と谷を抜ける風を感じる書斎があり、辻にとって創作と思索の重要な場となっていました。
さらに、銅版画家・山本容子、画家・小泉淳作、柴田賢治郎、福本章、和田亞紀らとの交友、妻で美術史家の佐保子と交わしたイラスト入りの手紙“MANGUA”、入院中の辻夫妻に画家・藪野健と編集者・井上明久が送り続けた絵手紙などからは、美しいものを愛し、人生を愉しんだ辻の人柄が浮かび上がります。
会場では、自筆書簡、創作メモ、100冊におよぶ日記『JOURNAL』、旧蔵書、愛用品、美術作品などを通して、辻邦生の文学世界を多角的に紹介します。
そこには、『安土往還記』『嵯峨野明月記』『樹の声 海の声』へとつながる思考の断片や、日常のなかで育まれた創造の軌跡が刻まれています。
資料の向こうに立ち上がるのは、〈作家〉という肩書だけではない、誰かを愛し、語り合い、美しいものに心を動かされ続けた、ひとりの人間の姿です。
Event Information
- 展覧会名
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生誕100年記念展 Part2
Re:辻邦生――作家をめぐる人と世界(モノ)
- 開催期間
- 2026年6月23日~8月1日
- 開館時間
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10:00~17:00
(最終入館時間 16:30)
- 休館日
- 日曜日、祝日
- 入館料
無料
Venue Information
- 主催
- 学習院大学史料館(霞会館記念学習院ミュージアム)