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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
「日本の中のマネ」ー出会い、120年のイメージー/練馬区立美術館
19世紀フランスを代表する画家、エドゥアール・マネ(1832-1883)。皆さんはマネに対してどのようなイメージを持っていますか?同時代に活躍した印象派の画家であるモネやルノワールと比べたら、パッと思いつきにくいのではないでしょうか。
11月3日まで練馬区立美術館にて、日本における「マネ・イメージ」に迫る展覧会が開催中です。
本展では、日本に所在する17点のマネの油彩画(パステル画を含む)のうち7点のマネ作品を中心に、印象派や日本近代洋画、そして資料などの約100点を展示。明治から現代にかけての日本とマネの関係性を紹介します。
エドゥアール・マネは、近代西洋美術の父として知られる画家です。
「マネ」という人名を聞くよりも、西洋絵画に詳しい人はもしかしたら《草上の昼食》や《フォリー=ベルジェールのバー》などの絵画作品を聞いた方が「あの作品の人!」とピンとくる人も多いのかもしれません。
欧米では長年にわたり、マネは「印象派のリーダー」として認識されていました。
印象派というと、モネやルノワールなどの画家が所属した絵画グループですね。日本でも人気の高い彼らの個展は、数多く開かれています。しかし、マネの個展は国内でわずか3回しか開催されていません。
エドゥアール・マネ《散歩(ガンビー夫人)》1880-81年頃 東京富士美術館蔵
またマネ作品の国内の所蔵数も、他の印象派の画家たちと比べると多くはないのだそう。50代前半で亡くなったマネが手掛けた作品総数が多くないことなどをはじめ、さまざまな要因が推測できますが・・・定かではありません。
本展は、日本における「マネ受容」について考察し、国内のマネ・イメージに迫る展覧会です。
石井柏亭《草上の小憩》1904年 東京国立近代美術館蔵
画家で美術批評家の石井柏亭(いしいはくてい)は、マネの《草上の昼食》にインスピレーションを受けて1904年に《草上の小憩》と題した作品を発表しました。
草の上でくつろぐ4人の少年少女は、画家の弟妹なのだそう!家族写真のようなほほえましさのある本作は、石井にとって最大の作品であり、代表作としても知られています。
(写真:右)安井曾太郎《水浴裸婦》1914年 石橋財団アーティゾン美術館蔵
石井のほかにも、同時代の画家たちはマネからの影響が見受けられる作品を残しています。
安井曾太郎(やすいそうたろう)の渡欧末期に描かれた《水浴裸婦》は、ヨーロッパでの成果を取り入れた大作です。
ルノワールやセザンヌの影響を指摘される本作ですが、奥行きのない背景の森林や、裸婦たちのすぐそばに脱ぎ捨てられた現代的な衣服など。それらを見るとマネの《草上の昼食》のイメージが散りばめられています。
展示風景
森村泰昌と福田美蘭といった日本の現代作家が、近代西洋美術の父であるマネをどのように解釈しているかについても紹介します。
中でも注目の作品は、福田の新作《LEGO Flower Bouquet》です。
福田美蘭《LEGO Flower Bouquet》2022年 個人蔵
サロン(官展)への出品を生涯こだわり続けたマネ。しかし彼の新しい画風は認められず、落選をくり返していました。
日本でも1907年に、フランスのサロンにならい「日展」の前身である第1回文部省美術展覧会が開催されました。
福田は本作を、全国の多くの美術ファンを集める日展の洋画部門に応募し、「審査を受けることで、マネが生涯こだわったサロンについて考えたい」と語っています。
作品は搬入のため10月13日までの展示となり、選外の場合は10月30日から再度本展に展示されます。
作品が審査を受ける姿をリアルタイムで追うことができるのが、斬新ですね!この機会に、11月4日から国立新美術館にて開催される「第9回 日展」にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
明治から現代にかけての日本におけるマネ・イメージに迫る本展。
マネへのはじめてのオマージュ作品である石井の《草上の小憩》が発表されてから、今年で約120年が経ちます。この節目の年に、私たちの芸術を見る目を振り返るような展覧会でした。
本展では、展覧会オリジナルグッズも販売中です。展示とともにこちらも購入してみては?
また、近隣の「練馬区立 石神井公園ふるさと文化館」では、特別展「練馬といえば!大根ー練馬大根いまむかしー」が開催中です。こちらは練馬区立美術館と相互割引がありますよ◎
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2022年9月30日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。