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2024年11月1日
恐怖映画の世界/国立映画アーカイブ
国立映画アーカイブで、同館が所蔵するポスターを中心に恐怖映画の世界を紹介する展覧会が開催中です。
宣伝ポスターを中心に映画ジャンルの歴史をたどる展覧会シリーズ「ポスターでみる映画史」の第4弾となる本展では、映画誕生から現在に至るまで作り続けられてきた恐怖映画の系譜を、約120点の資料によって網羅的に紹介します。
誕生から120年以上のあいだ、見る人にさまざまな感情を呼び起こしてきた映画。その中でも、「恐怖」は人びとを引きつけてきました。
そんな映画のスクリーンに最初に現れた恐怖は、怪人や怪物たちの姿でした。マッドサイエンティストや異形の怪人など、普通の人間からかけ離れた登場人物の容姿や言動を示す映画は、当時の観客に衝撃を与えました。
初期の恐怖映画の中でも有名な『オペラの怪人』。本作は、1912年に設立したアメリカの映画会社であるユニバーサル・ピクチャーズの作品です。
原作はフランスの推理小説作家ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』で、パリ・オペラ座で繰り広げられる、謎の人物と若い女性とのミステリアスな物語を描いた作品です。
何度も映画化されただけではなく、ミュージカルとしても有名なため、タイトルを聞いたことある人も多いのではないでしょうか。
『オペラの怪人』(1925年、日本公開同年、ルパート・ジュリアン監督)
国立映画アーカイブ所蔵
主演を務めたロン・チェイニーのドクロ風の特殊メイクが話題となった怪奇映画である本作。ポスター下部には、右から怪人が異常な愛を寄せるクリスティーヌ(メアリー・フィルビン)、彼女の恋人ラウル(ノーマン・ケリー)、探偵ルドゥ(アーサー・エドマンド・ケアウィ)が描かれています。
本作は、1925年9月26日に帝国劇場にて公開されました。
怪人や怪物のほかにも、人びとが恐怖を感じるのは目に見えないもの、あるいは得体の知れない存在の襲来ではないでしょうか。
1950年代に多数製作されたSFパニック映画や、スティーブン・スピルバーグ監督による『ジョーズ』などの動物パニック映画が例に挙げられます。
その中でも、ジョージ・A・ロメロが生み出した『ゾンビ』は、ジャンルとしての「ゾンビ映画」をうち出した決定的な作品として知られています。
28歳の若さで『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)を監督したロメロ。都市からの脱出やショッピングモールへの籠城、暴走族の襲撃などと目まぐるしい展開を見せつつ、死者が生者を食べる恐ろしいゾンビの世界を描き出しました。
ロメロが生み出したゾンビの衝撃はすざましく、その後関連作品がたて続けに製作されたのだそう!
今も人気の映画ジャンルのひとつであるゾンビは、映画以外にもアニメや漫画などのメディアでもお馴染みのモチーフとなっています。
本展後半では、日本の恐怖映画のポスターを展示。日本に古くから伝わる怪談を元とした怪談映画や、ジャパニーズ・ホラー(Jホラー)の歴史をポスターからひも解きます。
お岩さんで有名な「四谷怪談」や女性の亡霊が夜の井戸で「いちまーい、にまーい・・・」と皿を数える「番町皿屋敷」など、映画誕生以前から日本ではいくつもの怪談が語り継がれていました。
そのため、日本では怪談に基づく映画が早くから製作されていました。ここでは、1920年代から1990年代の作品まで、幅広い怪談映画のポスターを展示します。
日本が世界に誇るJホラーは、1990年代に高橋洋や黒沢清といった映画製作者たちによって生み出されました。
Jホラーは従来の怪人・怪物が登場するものやパニック映画とは異なり、心霊現象や呪いといった目に見えないものをあえてグロテスクなシーンなどを使用しない恐怖映画を多く作り出しました。
悲鳴を上げるような恐怖というよりは、背筋がゾーッとする恐怖を特徴とするJホラーは、国内のみならず世界でも親しまれています。
展覧会最後では、Jホラーの最新作のポスターを展示。現在においても恐怖映画が作られていることを紹介します。
国立映画アーカイブ所蔵のポスターを中心とした約120点の資料から、恐怖映画の系譜をひも解く本展。
『オペラの怪人』などが展示されている「第1章」のみ、写真撮影OKです◎
第1章 1910s-1950s 恐怖映画の古典―怪人・怪物 展示風景
また、本展では古今東西の恐怖映画の音楽も聴けるコーナーも用意され、聴覚面でも恐怖映画を追体験できますよ。
中には一度は耳にしたことのある恐怖映画の音楽も!国立映画アーカイブで、身も凍る恐怖の世界にどっぷりと浸かってみては?