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2024年11月21日
ガウディとサグラダ・ファミリア展/東京国立近代美術館
東京国立近代美術館にて、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」展が開催中です。
ガウディ建築の中でも長らく「未完の聖堂」と言われてきたサグラダ・ファミリアに焦点を当てて、100点以上の図面や模型、彫刻などの資料を通してガウディの創造の源に迫ります。
本特集では、ガウディ建築の魅力や展覧会の見どころ、おすすめの撮影スポットを、美術館や建築物が大好きというRさんと一緒に紹介。さらに、展覧会をディープに楽しめる音声ガイドやキュートなグッズの情報もお届けします。
スペイン・バルセロナを中心に活躍した建築家のアントニ・ガウディ(1852-1926)。
バルセロナ市内には、サグラダ・ファミリアのほかにもグエル公園やカサ・ミラなどガウディが手掛けた建築物がたくさんあり、「アントニ・ガウディの建築群」として世界文化遺産に登録されています。
ガウディは1883年にサグラダ・ファミリアの2代目建築家に就任。1926年に不慮の事故で亡くなるまで、40年以上にわたってサグラダ・ファミリアの建設に携わりました。
葬儀の日には、ガウディの死を嘆き、彼を見送る市民たちで道が埋め尽くされていたといいます。バルセロナ市民にとって、ガウディは英雄的な建築家だったことがうかがえます。
ガウディの独創的な造形のアイデアはどこから生まれ、どのようにしてサグラダ・ファミリアへとつながっていったのでしょうか。
本展では、ガウディのインスピレーションの源を探り、ガウディ建築の集大成ともいえるサグラダ・ファミリアの魅力をひもといていきます。
※特別な許可を得て撮影
ガウディは過去の建築を熱心に学び、過去の建築様式をベースにしたリバイバル建築やイスラム建築にヒントを得たモザイク装飾「破砕タイル」など、独自のスタイルを歴史の中から見つけてきました。
また、自然もガウディに大きなインスピレーションを与えたものの一つです。動植物をかたどった装飾のほか、洞窟や鍾乳洞などの有機的な造形を建築や家具に取り入れました。
さらに、洞窟などの自然の中に見られる幾何学についても研究を重ね、建築に応用しています。ガウディ建築のトレードマークといわれるパラボラ(放物線)・アーチもその一つ。
※特別な許可を得て撮影
ガウディは理想的なアーチを求めて、「逆さ吊り実験」という独特な実験も行いました。実験を通して判明した合理的な形のアーチを上下反転させ、塔などの建物の形状に反映しています。
こうしたガウディ独自の建築美学が随所に散りばめられているのが、サグラダ・ファミリアです。
サグラダ・ファミリア聖堂(降誕の正面側)、
2023年1月撮影
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família
ガウディは図面だけでなく、たくさんの模型や彫刻を作り、それらを修正しながらサグラダ・ファミリアの設計や装飾のアイデアを練っていったといいます。
その多くはスペイン内戦で破壊されてしまいましたが、残された模型や彫刻の断片をもとにその豊かな創造性は現在にも受け継がれています。
会場にはたくさんの模型や彫刻が並びますが、注目の作品をいくつか紹介します。
まずは、サグラダ・ファミリアの全体模型。全体像を見てから、各部の模型や彫刻を見てまわるのがおすすめです。
全体模型と向かい合うようにある身廊部模型は、ぜひ下から覗き込んでみてください。聖堂の中は森に見立てられており、上部で枝分かれした円柱はまるで樹木のようです。
また、1978年以来サグラダ・ファミリアの建設に彫刻家として携わる外尾悦郎さんが手掛けた天使の石膏像も必見!
実は2000年に現在の石像に置き換えられるまで、サグラダ・ファミリアの東側のファサード「降誕の正面」に実際に置かれていたものなのです。
うれしいことに、本展のメインとなる第3章は一部の作品を除いて写真撮影OKとなっています。
ガウディから受け取ったインスピレーションの種があれば、記録に残しておきましょう♪
会場内の特設ショップには、キュートでおしゃれなグッズが盛りだくさん!
ガウディの肖像やサグラダ・ファミリアの完成予想図などのイラストをあしらったペンケースやブックカバー、ガウディ建築のユニークな造形を生かしたダイカットポストカードなどが並びます。
ちょっとラフでゆるめなデザインにときめきます♪
さらに7月からは、人気キャラクター「シナモロール」や「センチメンタルサーカス」とのコラボグッズも登場予定です!
詳しくは、展覧会公式サイトをご確認ください。
そして、音声ガイドのナビゲーターは、エンターテイナーの城田優さん。
幼い頃にバルセロナに住んでいたそうで、サグラダ・ファミリアには数えきれないほど行ったことがあるのだとか。イケボでサグラダ・ファミリアの魅力をわかりやすく紹介してくれます。
2026年にはメインタワーの「イエスの塔」が完成予定と、いよいよ近い未来にその完成形を拝むことができそうなサグラダ・ファミリア。
ガウディが建築家としてのすべてを注いだといっても過言ではない大作を通して、ガウディ建築の魅力にぜひ触れてみてください!