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2024年11月1日
甲斐荘楠音の全貌/東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーにて、甲斐荘楠音(かいのしょうただおと、1894-1978)の活動を紹介する展覧会が開催中です。
本展は、大正期から昭和初期にかけて日本画家として活躍したのち、映画業界、演劇と幅広いジャンルで名を馳せた「甲斐荘楠音」の全貌に迫る展覧会です。
東京の美術館では初めて、26年ぶりの回顧展となる本展。その見どころを紹介してきます。
甲斐荘楠音は1894年、京都の中心地に生まれ、御所周辺の優美な文化に囲まれて育ちます。
京都市立美術工芸学校と京都市立絵画専門学校で図案と日本画を学び、その中でレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど西洋美術の人物表現にも心惹かれ、それらを融合させたような日本画を制作しました。
(左から)甲斐荘楠音《横櫛》大正5年頃 京都国立近代美術館/甲斐荘楠音《横櫛》大正7年 広島県立美術館(7/30までの展示)
写真左の《横櫛》は、「あやしい絵展」(2021年、東京国立近代美術館開催)のメインビジュアルにも使用された作品です。記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
1918年、まだ無名だった甲斐荘が国画創作協会の第1回展に出品した《横櫛》は、多くの画家や画学生、絵画愛好家などの鑑賞者を魅了しました。
時を経てもなお、色あせない楠音のあやしくも美しい人物画。彼が遺した膨大なスケッチ類には「肌香。匂いが溶けてゆく。流れる匂い。」とだけ書かれた紙片も混ざっていたといいます。
「肌香」には「はだか」とルビが付けられているそう。謎めいた言葉ですが、甲斐荘が鑑賞者に何を訴えたかったのか、そのヒントにもなりそうな言葉ですね。
甲斐荘楠音《春》昭和4年 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
本展のメインビジュアルにも使用されている《春》。寝そべり、何か遠くにあるものを優雅に眺める女性の存在感に圧倒されます。
本作は、国画創作協会解散後、甲斐荘が新たな活躍の場ついた絵画団体「新樹社」の記念すべき第1回に出品された作品です。
ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている、甲斐荘の昭和初期の傑作である《春》。
甲斐荘絵画のエッセンスが詰め込まれた貴重な作品です。ぜひお見逃しなく!
東京駅の風格ある駅舎をそのまま利用した展示室には、ずらりと甲斐荘が携わった時代劇映画の衣裳が並びます。
東映時代劇のもっとも華々しい時代を彩った師玉の衣裳たち。もともと、図案を学んでいたこともあり、一つひとつの柄がとても豪華です。
中には、最近大河ドラマで注目を集めている徳川家康の衣裳も!
夏休みにおじいちゃんやおばあちゃんと一緒に、本展を観てみるのもいいかもしれませんね。
画家、映画人、演劇に通じた趣味人として、さまざまな芸術に携わった甲斐荘楠音の魅力を紹介する本展。
甲斐荘の代表的な作品群が一堂に会するほか、未公開のスクラップブックやスケッチなど、甲斐荘の創作の裏側を物語る資料も多数展示しています。
26年ぶりとなる甲斐荘の回顧展。過去最大のスケールで彼の全貌を振り返ることができる本展は、この夏おすすめ展覧会の一つです。
東京駅直結で、天候を気にせずフラリと寄れるのも嬉しいですね!また、オンラインチケットも販売中。事前購入でスムーズに入館できますよ。
※会期中、展示替えあり
前期:7月1日~7月30日
後期:8月1日~8月27日