芸術文化による共生社会の実現に向けた取り組みを紹介

2023年10月3日

“新たなコミュニケーションのあり方”や“誰もが楽しめる鑑賞体験”とは?

2023年7月29日から8月6日までの9日間、東京都美術館で、東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京主催による「だれもが文化でつながるサマーセッション2023 」が開催されました。

芸術文化や福祉関係の施設関係者、教育関係者など約4,000人の方が参加した「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」。

今年度は「アクセシビリティと共創」をテーマに、芸術文化による共生社会の実現に向けた取組について理解を深める場となりました。

ここでは、9日間のプログラムの一部をご紹介していきます。

トークセッション


トークセッションの様子の写真
提供:アーツカウンシル東京

東京都美術館の講堂では、7月29日から7月31日の3日間「トークセッション」を開催しました。

アクセシビリティと共創をテーマに、文化施設での取組や最先端のテクノロジーの活用などについてを、さまざまな分野の専門家やアーティストが議論。

「社会とつながる芸術文化・文化施設の在り方」についてや、イタリアの「オメロ触覚美術館」創設者(視覚障害のある夫婦)を追ったドキュメンタリー映画『手でふれてみる世界』の上映後、作品に触れて鑑賞することの魅力などについて、話し合いを行いました。

トークセッションによる学びを深めるプログラムも

トークセッションの内容を深堀りするさまざまな展示・ワークショップ等も実施しました。

ここでは、その一部の展示を紹介します。


檜皮一彦《walkingpracticefeat.HIWADROME》展示風景
Photo by Yujiro Ichioka, TAM Inc.

こちらは檜皮一彦《walkingpracticefeat.HIWADROME》です。

会場一面を埋め尽くした白く光る車椅子に圧倒される作品。

多様な知覚や身体感覚、異なる他者とのコミュニケーションについて問いを投げかけました。


《手で見る絵画》展示風景
Photo by Yujiro Ichioka, TAM Inc.

《手で見る絵画》は、イタリア北部ボローニャの市内にあるカヴァッツァ盲人施設の美術館「アンテロス美術館」が制作した、絵画の名作を石膏で立体的に表現した作品です。

「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」では、アンテロス美術館東京分館所蔵の手でみる作品(イタリアを代表するルネッサンス期の絵画)を展示。

さまざまな鑑賞者が、実際に触れながら鑑賞することができる機会が設けられました。


視覚身体言語とコミュニケーション開催風景
提供:アーツカウンシル東京

また、アクセシビリティの向上や共生社会の実現に向けて、今日の社会に必要な情報保障や多様な他者とのコミュニケーションの形をともに考え、体験する場として、レクチャーやワークショップも実施されました。

それぞれのプログラムの詳細は、クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー公式サイトをご覧ください。

 

2023年7月29日から8月6日の9日間、東京都美術館で開催された「だれもが文化でつながるサマーセッション2023」。

本イベントの内容は、2023年10月2日から11月30日まで期間限定でアーカイブ映像が公開されます。

気になる方は下記公式サイトをご確認ください。

クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョー
公式サイト:https://creativewell.rekibun.or.jp/