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2024年11月1日
漆芸礼讃 -漆工・三砂良哉-/逸翁美術館
逸翁美術館(大阪府池田市)は、阪急電鉄をはじめ多方面で活躍した実業家、小林一三(こばやしいちぞう)が収集した美術品を中心に展示しています。
彼の雅号「逸翁」を冠し、1957年に開館しました。
現在、逸翁美術館にて「漆芸礼讃-漆工・三砂良哉-」が、2024年11月24日(日)まで開催中です。
天才的な技術を持ちながらも、世に知られなかった漆工・三砂良哉(みさごりょうさい)を大々的に取り上げる、日本初の展覧会です。
「漆芸」は、日本が世界に誇る伝統文化の一つです。
漆器は三次元の立体物なので、実物を観るとその存在感に圧倒されます。
今回の展覧会は、構想になんと3年もの時間をかけたのだそう。
本展では、150点の作品を5章で紹介。
茶道具に限らず、良哉が手掛けたさまざまな手仕事を観ることができます。
三砂良哉は、明治から昭和にかけて活躍した漆芸家です。
幼少期に日本画家・守住貫魚(もりずみつらな)の作品から日本画を学んだ後、明治30年代には漆芸の道に入りました。
昭和4年(1929)に小林一三が創立した「阪急工美会」では幹事を務めていた良哉。
小林一三との出会いについての詳細な記録はありません。
しかし、一三は自身の茶会で幾度となく良哉の作品を用いるなど、良哉の作品を好んでいました。
展覧会では、良哉の品々を観るとともに、作品にまつわる多くのストーリーも知ることができます。
「どのような人柄だったのか」、「どのような関係性を一三と築いていたのか」といったことについて、作品とそれにまつわる逸話が語りかけてくるようです。
こちらは漆芸としては珍しく、プラスチックの器に蒔絵を施しています。
本作は一例ですが、他にも良哉の遊び心が溢れる作品が数多く展示されています。
ぜひ、お気に入りの一つを見つけてみてください。
一三から「漆をいじらせておけば第一人者、心からの名工であろう」と言われるほどの技術と、豊かな感性を持っていた良哉。
そんな良哉の高い想像力が垣間見える作品がこちらです。
《スペイン扇子山水文蒔絵香合》は、良哉が一三に「貝細工で創られた扇子をどうにかしてほしい」と依頼されて、香合(*)に生まれ変わらせた作品です。
*香合(こうごう):香を入れる小さな容器のこと。
全部で11個つくられたという本作。現在は5作品が見つかっています。
本展では、そのうちの4作品を展示しています。
三砂良哉を大々的にとりあげる日本初の展覧会である「漆芸礼讃 -漆工・三砂良哉-」。
一つひとつの作品に凝らされた工夫や細かい技術を見ていくと、良哉の高い技術力はもちろん、ユーモアセンスなども感じられます。
芸術の秋に、日本の伝統工芸品をじっくり堪能してみるのはいかがでしょうか。