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2024年12月17日
今津景 タナ・アイル/東京オペラシティ アートギャラリー
東京オペラシティ アートギャラリーにて、国内外で大きな注目を集めるアーティスト・今津景(1980-)の初の大規模個展「今津景 タナ・アイル」が2025年3月23日(日)まで開催中です。
今津景は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作しています。
2017年、インドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移した今津。
本展では、現在拠点にしているインドネシアと自身のルーツである日本の2つの土地での経験と思考に基づいた作品を展示します。
今津の作品には、さまざまなメディアから採取した画像がモチーフとして採用されています。
特にインドネシアに移住した後は、その土地で経験した数々の事柄やインドネシアの歴史や神話、都市開発や環境問題に関するイメージが画面に配置されています。
《Hainuwele》は、インドネシア・セラム島の神話「ハイヌウェレ」を元にして制作した作品です。
ハイヌウェレとは、ココナッツから生まれ、自分の排泄物から異国の宝物を生み出す力を持つ女性の名前です。
その神秘的な力を恐れた男たちによって、ハイヌウェレは生き埋めにされてしまいますが、彼女の遺体を切断し土地に埋めると、そこからさまざまない芋が育ち、島民たちを支えたといわれています。
今津はこの神話を、フェミニズムや植民地史など多方面から読み解き、さらに自身の出産といった個人的な体験と結びつけて作品を制作しました。
本展では、これらの作品が圧巻の展示空間で楽しむことができます。
展示室内は、写真撮影OK(映像作品の撮影・動画撮影不可)。
東京オペラシティ アートギャラリーらしい、オシャレな展示空間です。ぜひ、撮影してSNSで感想を発信してみては?
近年、今津の創作は絵画に留まらず、3Dプリンターによる巨大な立体作品や、インスタレーションなど空間へと展開しています。
本展では、今津が住むバンドンで行われたというマラリアの特効薬であるキナの栽培をめぐる新作インスタレーションが展示されています。
今津景の初となる大規模個展「今津景 タナ・アイル」。
本展のタイトルにある「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル(Air)」が「水」を指し、2つの言葉を合わせると故郷を意味する言葉になるのだそう。
現在生活するインドネシアと自身のルーツである日本という2つの土地での経験に基づく今津の作品は、私たち鑑賞者に対しても「自らが生きる場所」について考えるキッカケになることでしょう。
新年にぴったりな展覧会のひとつです。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。