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東山魁夷を中心に日本の風景画をたどる展覧会【福田美術館】
2025年2月10日
企画展「ヌエットの描く昭和モダンの軌跡」/ガスミュージアム
ガスミュージアム(東京・小平市)にて、日本を愛したフランス人ノエル・ヌエット(1885-1969)を紹介する展覧会が開催中です。
ノエル・ヌエットは、昭和初期の東京で詩やスケッチを通じて、東京の姿を数多く記録しました。
本企画展では、ヌエットの作品とともに、当時の都市生活を象徴する、ガスのある暮らしを写真などの資料と一緒に紹介します。
ノエル・ヌエットは明治18年(1885)、フランスのブルターニュに生まれました。
20代の頃からパリで詩人として活躍する傍らで、留学中の日本人たちと交流し、日本への思いを膨らませていたヌエット。
昭和5年(1930)から昭和37年(1962)に帰国するまでの30年余り、フランス語教師として働きながら、当時の東京の風景を見つめ、そのようすをスケッチや版画、詩、随筆などで表現しました。
ところで、どうしてガスミュージアムでノエル・ヌエットの展覧会?と思っている方も、多いのではないでしょうか。
ヌエットは2025年3月30日に、生誕140年を迎えます。実は、東京ガスもヌエットと同じ明治18年生まれなんですよ。
(正面)企画展が開催されているガス灯館
昭和初期の1920~30年代に花開いた、和洋折衷の近代東京の都市市民文化の姿を伝えるヌエットの作品。
それと、東京ガスが支えた当時の都市生活を象徴する「ガスのある暮らし」を記録した資料から、昭和のモダンな風景を紹介します。
ガスミュージアムでは、10年前の2015年にノエル・ヌエットの生誕130年を記念する展覧会が開催されました。
ここまでまとまったヌエットの版画作品をコレクションしているのは、珍しいとのこと。
本展では、ガスミュージアムが所蔵するノエル・ヌエットの版画作品のほぼ全てが展示されています。
ヌエットが描いた当時の風景と今の風景を比べて観られるのも、見どころのひとつ。
絵画に詳しくなくても「見たことのある風景だ!」と、楽しむことができますよ。
こちらは、昭和初期の代表的な雑誌である「アサヒグラフ」です。
「アサヒグラフ」は、大正12年(1923)に日刊の写真新聞として創刊されていました。
しかし、同年9月1日に起きた関東大震災を挟んで一度休刊。その後、復刊されてからは週刊のグラフ誌(*)として平成12年(2000)まで刊行されました。
*グラフ誌:写真掲出を中心とした紙面誌のこと。
展示ケースでは、「アサヒグラフ」の一部のページを紹介。
展示紹介する「アサヒグラフ」の全ページは、展示室内のモニターで観ることができます。
ノエル・ヌエットが描いた昭和モダンの東京の姿を紹介する企画展「ヌエットの描く昭和モダンの軌跡」。
展示室で配布されている「クイズラリー」もおすすめ。
答えと裏表紙に押すスタンプは、隣の「くらし館」の中にあります。
(左)ガス灯館/(右)くらし館
本企画展でも紹介されている「東京ガス料理教室」は、大正2年(1913)から定期的に開催されています。
東京ガス料理教室は、今年度で111年を迎えます。
それを記念して、ガスミュージアムの姉妹館「がすてなーに ガスの科学館(東京・豊洲)」にて、「東京ガス料理教室 111周年記念イベント」が開催されます。
「東京ガス料理教室 111周年記念イベント」の詳細は、東京ガス 料理教室公式サイトをご覧ください。