きかんしゃトーマスの世界展 ~はたらく機関車たちのおはなし~/京都鉄道博物館

世代を超えて愛される、きかんしゃトーマスの世界【京都鉄道博物館】

NEW!
2025年3月28日

「きかんしゃトーマスの世界展」エントランス Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

京都駅から西へ15分ほど歩くと、梅小路公園が現れます。

春を待つ梅の花がちょうど見頃を迎えているこの公園内に、京都鉄道博物館があります。

京都鉄道博物館 外観

現在、京都鉄道博物館で「きかんしゃトーマスの世界展 〜はたらく機関車たちのおはなし〜」が開催されています。

「きかんしゃトーマス」は絵本から生まれた

今年、原作絵本の出版から80年を迎えた「きかんしゃトーマス」。絵本は1945年にイギリスで出版されました。

現在も多数出版されているきかんしゃトーマスの絵本 Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

牧師ウィルバート・オードリーが、病にかかった幼い息子を励ますため、笑ったり怒ったりと表情豊かな機関車たちの話を創作して聞かせたのがはじまりです。

当時3歳だった息子は機関車の話を大変気に入り、病気が治っても父に読み聞かせをせがんだそうです。

何度も読み聞かせるうちに、愉快な機関車たちのエピソードはどんどん膨らんでいきました。

初の絵本作品、「エドワードのたのしい1日」の原画 Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

実はこの話を含む第1巻では、主人公のトーマスはまだ登場していません。

トーマスが初登場したのは第2巻でした。

複製原画もたっぷり楽しめる Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

展示では絵本の複製原画が1枚ずつ、ストーリーと共に紹介されています。

TVシリーズは観ていたけど原作絵本は読んだことがなかった、という方も多いのではないでしょうか。

80年前の味わい深いイラストで描かれる絵本で、今なお続く機関車たちの物語の貴重な原点に触れることができます。

世代を超えて愛されるきかんしゃトーマス

1984年、TVシリーズの放送がイギリスで開始されます。

日本では6年後の1990年から放映されました。

本展では、撮影に使われた模型も多数展示されています。

撮影用模型のトーマスとレディー(レプリカ) Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

トーマスの横に並ぶのは、シリーズ初の女性機関車で、ボルドー色とゴールドの車体が美しいレディー。

彼女が初登場した長編劇場版は、公開期間が延長されるほどの人気だったそうです。

きかんしゃの仲間たちの表情パーツ Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

きかんしゃトーマスといえば、コロコロと変わる豊かな表情が印象的。
表情パーツはトーマスのものだけでも、実に30種類もあったそうです。

そんなトーマスの多彩な表情といっしょに写真が撮れるフォトスポットも来場者に人気でした。

「きかんしゃトーマスの世界展」フォトスポット Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

放送開始当初は模型を用いた人形劇だったTVシリーズですが、その制作手法も時代に合わせて変化していきました。

2010年以降はトーマスたちの活躍は3DCGで描かれるようになり、現在では最新となる2Dアニメ版が放映されています。

現代のアニメ版トーマスと、懐かしい姿のトーマス Ⓒ2025 Gullane(Thomas)Limited.

こちらでは最新の2Dアニメ版のトーマスと、初期のトーマスが肩を並べています。

どちらのトーマスも愛らしい表情は共通しています。

何世代にも渡って、長く愛されているきかんしゃトーマス。

取材中も、年配の方から小さな子どもまで、幅広い世代のお客さんが訪れ、みな一様に笑顔になっているのが印象的でした。

通常展示も見どころいっぱい

京都鉄道博物館は通常展示も見どころがたっぷり。

当時を知る人にはたまらない展示車両たち

本館の1階では当時世界最速の300kmを誇った新幹線500系や、旧国鉄時代を飾った往年の名車両たちが、訪れた人を出迎えます。

扇形車庫と回転する転車台 画像提供 京都鉄道博物館

扇形車庫もぜひ観ておきたいスポット。

100年以上前に建造された、現存する最古の鉄筋コンクリート造りの機関車庫です。
国の重要文化財にも指定されています。

イギリスから輸入された勾配区線用の蒸気機関車

海外から輸入された車両も展示されており、トーマスたちの故郷、イギリスで生まれた蒸気機関車もありました。

丸みを帯びた車体とレトロな赤色がかわいらしい1台です。

幅30mを誇る迫力のジオラマ

本館2階に上がると、巨大な鉄道模型のジオラマ展示が待ちかまえています。

スケールに驚かされるジオラマ展示

幅30m、奥行き約10mの大きさは圧巻です。

駅や橋梁、トンネルなど鉄道に欠かすことのできない施設が忠実に再現されていました。

扇形車庫の姿も見られます。

ジオラマ展示内の扇形車庫

オペレータさんが運転する鉄道車両の模型がジオラマを走り抜ける姿を、大人も子どもも、時間を忘れて夢中で眺めていました。

春のお出かけにぴったりの京都鉄道博物館

「きかんしゃトーマスの世界展」グッズ

ミュージアムショップには、「きかんしゃトーマスの世界展」に合わせたグッズもずらり。

訪れた人は、多数のデザインが並ぶポストカードやクリアファイル、キーホルダーなどのアイテムをじっくりと時間をかけて吟味していました。

「きかんしゃトーマスの世界展」と京都鉄道博物館は、暖かくなるこれからの季節や、ゴールデンウィークのお出かけにオススメです。

ぜひこの機会に、今なお新鮮なきかんしゃトーマスの世界と、鉄道の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。