ハプスブルク家/10分でわかるアート
2024年12月18日
明治神宮の刀剣/明治神宮ミュージアム

明治天皇・昭憲皇太后ゆかりの品々を保存、展示する明治神宮ミュージアム。
同館で、明治時代に奉納された刀剣の中でよりすぐりの品を紹介する企画展「明治神宮の刀剣」が開催中です。
みなさんはなぜ神社仏閣に刀剣が奉納されるのかご存知でしょうか?
それは、日本で古代より行われる刀剣を捧げる神事のためなんです。刀剣の奉納は、神への祈りの形というわけです。

この神事は垂仁天皇の時代に始まったことが『日本書紀』にも記されており、現代にまで受け継がれています。

明治神宮は戦災によって社殿が焼失してしまいます。その後、復興が行われた昭和33年(1958)前後には多くの刀剣が奉納されました。

刀 銘 奉納 吉原国家作作者同人/昭和三十三年十月三十一日/明治神宮遷宮記念 昭和33年
吉原国家による太刀(たち)。昭和33年の明治神宮の遷座*の際に使用されたものです。
身幅の広さ、刃文の大きさなどから堂々とした迫力が感じられます。
*遷座(せんざ)・・・神や仏、天皇のご神体や仏像、御座を、別の場所へ移動させること。

大太刀 無銘 南北朝~室町時代
こんな大太刀も!太刀は平安時代後期から室町時代前期に用いられ、特に3尺(約90cm)以上のものは大太刀と呼ばれます。
この大太刀は155cmもあるのだそう。これほどの大きさを保ちつつ刃文の乱れなどが無いため、優れた出来であることがわかります。
本展では、刀剣はもちろんですが明治天皇の愛用品や、明治時代前後の日本の歩みなども知ることができます。

六頭曳儀装車 明治中期 明治天皇・昭憲皇太后の御尊影も展示されています
この立派な馬車はイギリス製のもので、明治22年(1889)、2月11日の憲法発布日に明治天皇・昭憲皇太后が使用されました。最近修復を終えました。
車輪の赤色の鮮やかさ、鳳凰の豪華な金色、室内の装飾。格調高い美しさにうっとり。

刀剣は江戸時代までは、主力の武器であり、また権威の象徴でもありました。
大政奉還され、明治時代になると、いわゆる廃刀令で刀剣のあり方は急速に変化していきました。

御刀掛 明治時代
現代では刀剣は鑑賞の対象となり、美術品として評価される時代となっていますが、明治天皇も刀剣の鑑賞が好きだったそうです。
こちらの七段の刀掛けも、鑑賞の際に使用されたのかもしれません。
段の内側には刀剣が傷まないように革が張られるなど、工夫もされた逸品です。

刀 銘 大和国住月山貞利彫周作(花押)/奉納 明治神宮御神前
公益財団法人日本刀文化振興協会/令和七年十一月三日 令和7年
この刀剣は、令和4年(2022)、明治天皇百十年祭と、明治天皇ご生誕170年記念として製作、奉納されたもので本展が初公開となります。月島貞利の作です。
皇室に関わる作刀を行ってきた月島家。明治神宮の創建時には、貞利の祖父である貞勝の作による刀剣が奉納されています。
明治神宮ミュージアムは、明治神宮の中に位置しています。
今回は徒歩での行き方をご紹介。まずはJR原宿駅の表参道寄り、西口を目指します。

原宿方面に行かないようにご注意!ちなみに、東京メトロ明治神宮前〈原宿〉駅も利用できます。こちらは2番出口を利用してくださいね。

鳥居をくぐったら、しばらくまっすぐ進みます。3~4分ほどで右手にミュージアム入口が見えてきます。

駅の出口からも5分あれば行くことができるのでアクセス良好◎是非立ち寄ってみてくださいね。
明治神宮ミュージアムは、実は建築も見どころなんです。
設計は建築家の隈研吾氏。明治神宮の森と調和するような優しい勾配の屋根が特徴です。
1階にある「杜の展示室」では、明治神宮の歴史や日々の営みを紹介しています。

2階企画展示室の横にあるスペースでは、明治神宮の参道や自然をゆっくり楽しむことができます。
明治神宮の宝物のなかでも、「刀剣」に特化した本展。
刀剣とあわせて、明治天皇の愛用品や歩み、ミュージアム内の常設展示も楽しんくださいね。
