~明治の街を彩った文明開化の装い~「明治おしゃれ物語」展/ガスミュージアム

ガスの歴史から読み解く、明治時代の「おしゃれ」【ガスミュージアム】

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2026年2月2日

ガスの歴史から読み解く、明治時代の「おしゃれ」【ガスミュージアム】

ガスミュージアム(東京・小平)にて、明治の街を彩った文明開化の装い~「明治おしゃれ物語」展が開催中です。

ガス燈が横浜や東京の街に灯り始めた文明開化の頃、街には洋装の人びとの姿が見られるようなりました。

本展では、ガスミュージアムが所蔵する約400点の「明治錦絵」から、当時のおしゃれな人びとが描かれた作品を厳選して紹介。

さらに、紅ミュージアム所蔵の明治時代の化粧品もあわせて展示します。

和装と洋装が行き交う
明治の街

慶応3年(1867)に、幕府が軍服に洋服を採用したことに始まり、欧米との対等な関係を目指す外交戦略として皇族や官僚などを中心に洋装が広まりました。

男性の洋装が増える一方で、女性は伝統的な和装が主流でした。

明治の女性たちの間に洋装が広がり始めるのは明治10年代頃。
伊藤博文夫人の梅子らを中心に、上流階級の女性たちの間で洋装が広まり始めます。

楊洲周延「上野博覧会図」年不明 ガスミュージアム蔵

明治17年(1884)に公布された「華族令」により、宮中行事などにおける華族女子の正装として「袿袴(けいこ)」の着用が定められました。

袿袴は、小袖の上に袴(はかま)をはき、そのうえから袿(うちき)を羽織るという形式の服装のこと。

用途に応じて礼服、通常礼服、通常服の3種類があり、礼服と通常礼服は緋色とされていました。

錦絵に描かれた「おしゃれ」を鑑賞

明治錦絵には、後ろ腰にボリュームを持たせたバッスル・スタイルのドレスが多く描かれています。

また、ドレスの素材にはジャガードやチュール、レースやスパンコールなどの西洋由来の新しい生地や装飾がふんだんに使われました。

楊洲周延「皇国貴顕観花之図」 明治20(1887)年 ガスミュージアム蔵

明治天皇の隣に描かれた昭憲皇太后の黒いドレスには、薄く模様が描かれています。

展示ケースではその模様の鑑賞が難しいため、作品を拡大した映像資料でぜひご覧ください。

ポイントは肩のあたりに注目すること。優れた技術によって表現された薄い模様が見られるかもしれませんよ。

おしゃれを支えた明治の新エネルギー「ガス」

洋裁において、熱による生地の癖付けやシワを伸ばす工程は欠かせません。

その作業には、焼きごてやアイロンなどが使用されていましたが、当初の熱源は炭だったため、灰やススで生地が汚れてしまうことがありました。

こうした洋裁技術を支えたのが「ガス」です。

(左から)木炭用アイロン(小型)年不明/ガス焼鏝 明治後期/ガスアイロン 大正初期 いずれもガスミュージアム蔵

明治時代にはガス焼きごてが登場。
さらに大正時代になると、バーナーが内蔵されたガスアイロンも使われるようになりました。

スアイロン 大正初期 ガスミュージアム蔵

これらは、汚れの心配がなく、素早く高温になって便利なことから、当時の人びとに大いに喜ばれました。

おしゃれに欠かせない化粧文化も紹介

本展では、紅ミュージアムが所蔵する明治の化粧品も展示しています。

(左から)山本昇運「今すがた ゆきのはだ」明治39年(1906)/小町紅(色絵花丸文椀)紅平(紅屋平兵衛) 明治中期/中山太陽堂「クラブはき白粉」 明治45年(1912) いずれも紅ミュージアム蔵

明治20年代後半に国内のガラス製造技術が向上すると、ガラスは化粧品の容器にも広く使われるようになりました。

(左から)鶴香水 リゴ―[輸入元:大崎組商会] 明治20年(1887)/金鶴香水 大崎組商会 明治40年(1907)代~ いずれも紅ミュージアム蔵

こちらは、整髪料で知られる「株式会社マンダム」の前身である「金鶴香水株式会社」のさらに前進となる大崎組商会が販売していた香水瓶です。

口紅や白粉などに目が行きがちですが、実は明治のおしゃれを語る上では「香水」も重要なアイテムのひとつ。

紅ミュージアムとのコラボだからこそ観られるガスミュージアムだけの「明治のおしゃれ」にも注目です。

常設展もあわせて楽しもう!

本企画展の展示は、常設展示とあわせて楽しむことができます。その一例をご紹介。

口絵『大隈重信邸花壇食卓真景』増補註釈『食道楽』冬の巻より 明治37年(1904) ガスミュージアム蔵

本作は、大隈重信が海外からの賓客を招き、自邸の温室で会食しているようすを描いたもの。

くらし館の常設展示では、大隈伯爵邸の台所にあった物と同型と思われるイギリス製のガスレンジも展示されていますよ。

英国フレッチャラッセル社製 ガスレンジ

ガス灯館1階と、隣のくらし館の常設展示を観るのもオススメです。

ガスの歴史から明治時代の「おしゃれ」を読み解く企画展「明治おしゃれ物語」展」。

受付では、本展オリジナル錦絵ステッカー(全3種)を販売しています。

スマホの裏側に入るちょうどいいサイズです。こちらもお見逃しなく!

Exhibition Information