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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
バンクシーって誰?展/寺田倉庫
現代アートを代表する作家キース・へリングやバスキアに続き、いま世界でもっとも注目を集めているバンクシー(BANKSY)。
2018年、サザビーズのオークションで「風船と少女」が1.5億円で落札されたのち、額に仕込まれていたシュレッダーで作品が切り刻まれた「シュレッダー事件」で知られています。
バンクシー《風船と少女》 Girl with Balloon (Diptych) 2006年 個人蔵
本展では、世界中に分散するバンクシーのストリート・アートの代表作を、リアルサイズに再現!没入型展示が楽しめる「バンクシーって誰?展」の魅力について、スフマート編集部がオススメの作品とともに紹介していきます。
バンクシーは1990年、イギリス南西部の港町ブリストルで、グラフィティ・アーティストとして活動を始めました。
2003年には、ロンドンのとある倉庫で個展「Turf War(*)」を予告なしに開催。スプレーペイントで色付けされた牛や豚、羊などの家畜を展示したことが問題となり、バンクシーに逮捕状が出されました。そのため、本来1週間開催するところ、オープニングの3日後には閉鎖されたといいます。
*Turf War:湾岸戦争=Gulf Warをもじった造語。Turfは「芝」や「敷地」の意味。
バンクシーって誰?展 展示風景より
ヨーロッパを中心に、アメリカやパレスチナなどでゲリラ的に見つかるバンクシーの作品。
日本でも、2019年1月に港区の防潮扉に描かれたバンクシーの作品と思われるネズミの絵が発見され、大きなニュースとなりました。
世界中を騒がせているバンクシーですが、その創作活動の全貌や動機などを知る人物は少なく、謎に包まれた存在として語られています。
(写真手前)《Banksy,Monkey Mask Session(Tag)》2003年 個人蔵
《Banksy,Monkey Mask Session(Tag)》は、公式作品集『Wall and Piece』にも掲載された本人のポートレート写真です。現在は、イギリスのナショナル・ポートレート・ギャラリーに正式に所蔵されています。
チンパンジーのマスクは初期のバンクシーのアイコンとして使われていて、映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』にも登場しました。
グラフィティ・アートには、さまざまな技法があります。
スプレーやフェルトペンを使う「フリーハンド」という技法は、主に一筆書きで名前だけを描く「タグ」や、2~3の色を使って縁取り文字を描く「スローアップ」、また壁一面に描く「ピース」と呼ばれる3つのスタイルで描かれます。
バンクシーも活動を始めた1990年代当初は、フリーハンドの技法を使って描いていました。しかし、1作品を描くのに時間がかかるため、完成前に人に見つかってしまうことが多くあったそうです。
バンクシーって誰?展 展示風景より
そこでバンクシーは「ステンシル」という技法に注目します。この技法は型紙を壁に貼り、そこにカラースプレーを吹きかけてグラフィティを描いていくものです。
バンクシーはこの型紙を捨てることなく、キャンバスにスプレーして作品を制作するなど再利用しています。こうして作られたキャンバス作品で活動資金を稼いでいるそう!
本展で展示されているキャンバス作品も、型紙を再利用して制作されたものです。
本展では、世界中に分散するバンクシーのストリートアートの代表作を、テレビスタジオの舞台美術チームがリアルサイズに再現しています!
活動の3大地域と言われているヨーロッパやアメリカ、中東の街並みが寺田倉庫に集結します。
Giant Kittenの再現展示
2014年夏、7週間にもおよぶイスラエルの軍事攻撃により、廃墟と化したガザ地区北部のベイトハヌーン。ここに残されたグラフィティは、これまでのバンクシーの作風とはひと味違うかわいらしい子猫の絵でした。
「SNSではガザの悲惨な現実より、もっぱら子猫の写真ばかり見られている」というバンクシー。世間の注目を集めるために、廃墟の中にこの絵を描くと、国際的な支援団体がこの地区の人びとの援助に名乗りを上げたそうです。
バンクシーが作品の中に仕掛けた巧みなメッセージも、ぜひ会場で体感してみてください!
プライベート・コレクター秘蔵のオリジナル作品も一挙公開!一番の見どころは、イギリスのファッション・デザイナーで、バンクシー好きで知られる、ポール・スミスが所有する《Congestion Charge》です。
バンクシー 《コンジェスチョン・チャージ(混雑税)》Congestion Charge 2004年 ポール・スミス蔵 ©
「コンジェスチョン・チャージ」とは、ロンドン市内への車の乗り入れを、料金の徴収によって制限して渋滞の解消をめざす対象区域のこと。
バンクシーは、それを示す「C」の標識を、のみの市で販売されていた無名の画家が描いた作品に描き加えて作品にしました。
本作は、既存の作品に描き足すことで意味を変えてしまう「デトーナメント(転用)」の手法を使ったシリーズの一つです。
会場内のミュージアムショップでは、展覧会限定グッズが販売されています。
「バンクシーって誰?展」限定版コップのフチ子のほか、「風船と少女」のモチーフが入った洗えるマスクなど!本展でしか手に入らない充実の品ぞろえです。
また、本展のアンバサダーである俳優の中村倫也さんが、音声ガイドにも挑戦しています!
こちらもお見逃しなく♪
会場内は撮影OK!日本にいながらプチ世界旅行が楽しめる、新感覚の没入型展覧会「バンクシーって誰?展」。
東京展終了後、名古屋、大阪、郡山と全国へ巡回します。その後の巡回情報は、展覧会公式サイトをご確認ください。