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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)/東京都美術館
古くより時の権力者が、その力を見せるために利用してきたものがあります。それは“芸術”。
現在東京都美術館で、さまざまな地域で生み出された60点の作品を通して、力とともにあった芸術の歴史を紹介する展覧会が開催中です。
展示風景
本展では、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本など・・・当時の権力者たちの肖像画や、彼らが集めた貴重なコレクションを紹介します。
古今東西の権力者たちは、その力を示し、維持するために芸術の力を利用してきました。
たとえば肖像画。威厳に満ちた肖像画を描かせることで権力を強め、その力の正当性を示しました。
ローベル・ルフェーヴル(フランス、1755-1830)と工房《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》1812年 油彩、カンヴァス
フランス皇帝となったナポレオン・ボナパルト(1769-1821)も、肖像画を利用して自身の権力を示そうとしました。
元々ナポレオンは皇帝になるような出身ではなく、軍事的な勝利によって権力を勝ち取った人間でした。
戴冠式の正装姿を描いた本作は、鑑賞者とナポレオンの視線は合いません。ナポレオンはこの絵画で親しみやすさではなく、威厳を伝えました。こちらの絵画のシリーズは30点以上現存しており、当時宮殿や帝国中の市庁舎に飾られたり、時には外交上の贈り物としても使われました。当時の人びとはこの絵画を見て、ナポレオンへの信頼を寄せていたのでしょうか?威厳ある姿は圧巻ですよ。
本展では肖像画はもちろん、権力者が収集したさまざまなコレクションもあわせて約60点が紹介されています。
女性を彩った豪華なジュエリーや、彼女たちが収集した磁器コレクションもお見逃しなく。
日本への里帰り作品も多数出品しています。特に《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》は本展の目玉!いずれも日本に残されていれば国宝になっていたと考えられているそう。この機会に絶対観たいですよね!
奈良時代に活躍した学者・政治家である吉備真備の活躍を描いた《吉備大臣入唐絵巻》は、本展のメインビジュアルにも使用されています。
こちらの絵巻は全期を通して、4巻揃って展示されます。
《吉備大臣入唐絵巻》(部分)平安時代後期-鎌倉時代初期、12世紀末
William Sturgis Bigelow Collection, by exchange
絵巻の舞台は奈良時代。遣唐使として唐に渡った真備が、鬼となった阿倍仲麻呂の助けを借りながら、難題を解決していくというものです。
画像のシーンは吉備真備(きびのまきび)と阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)が飛行の術を使って空を飛んでいる図!白い顔が真備です。とてもユニークですよね。
絵巻は音声ガイドを聞きながら鑑賞するのがおすすめです(1台600円)。さらに、会場レンタル版の内容に加えて、アプリ限定コンテンツが収録されたスペシャルバージョンも販売されているそうなのでチェックしてみてくださいね。
音声ガイド情報はこちら
今回、本展のために初めて里帰りしている作品が「孔雀図」です。こちらは増山雪斎(ましやま せっさい)によるもので、ボストン美術館で約1年かけて修復されました。
増山雪斎 《孔雀図》江戸時代、享和元年(1801)
Museum of Fine Arts, Boston, Fenollosa-Weld Collection
雪斎は華麗な花鳥画を描いた人物でありながら伊勢長島藩の第5代藩主でもあり、書画、詩文、茶などもたしなむ趣味人としても活動していました。
伊藤若冲のような細やかな描写は必見です。孔雀の羽や花びらなど、細部までぜひ注目してみてください。
コロナウイルスにより2020年の開幕が延期となり2年。待ち望んでいたボストン美術館珠玉のコレクションは必見ですよ。
現在上野駅周辺では注目の展覧会が目白押しです。涼しい館内を回って1日楽しめそうです。夏はもちろん、まだまだ暑さの続く秋のお出かけにもおすすめですよ。