PROMOTION
クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
仏教美術の精華 観音応現身像をまじえて/半蔵門ミュージアム
皇居や大使館、最高裁判所などが立ち並ぶ半蔵門エリア。国の重要な機関が集う場所に、仏教美術のコレクションを所蔵する半蔵門ミュージアムがあります。
同館では、現在「仏教美術の精華 観音応現身像をまじえて」が開催中。
本記事では展覧会のこと、重要文化財を含む圧巻の常設展示などをご紹介します。
半蔵門ミュージアムは、真如苑が所蔵する仏教美術を一般に公開するために2018年に開館しました。
運慶作と推定される大日如来坐像(重要文化財)や、ガンダーラ仏伝浮彫、仏像や仏画、経典などの貴重な美術品を、現在は23点展示しています。
また、展示だけではなく図書閲覧や休憩のためのラウンジやシアターがあったりと、落ち着いた空間で仏教美術について知ることができるミュージアムです。※現在、感染症対策のためラウンジの使用は中止しています。
さらに入館料が無料!東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅に隣接するアクセスの良さもうれしいポイントです♪
展示室を入るとまずは一体の仏像がお出迎え。ガンダーラ美術の紹介から展示がスタートします。
こちらの《説法印仏坐像》は、彫りの深い顔立ちや髪のウェーブなどガンダーラ仏の特徴を持ちますが、これはギリシャ・ローマ美術からの影響が強いのだとか。蓮華の花に座り、穏やかな表情をしているのをじっくり見ると、心が落ち着いてきます。
ブッダ(釈迦)の前世から誕生、悟り、涅槃(ねはん)までの生涯を読み解く展示にも注目!
ストゥーパとは、舎利(仏の骨)が納められている仏塔のことで、ブッダのお墓のこと。その周りには人びとにブッダの生涯を伝える石が飾られていました。《王の帰依と涅槃》もそのひとつで、ブッダが涅槃(ねはん)に入るようすを描いた作品です。ブッダが横たわっている姿は誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
良く聞く「涅槃」という言葉は、すべての煩悩から解放され、悟りの境地にたどりつくことを指しています。展示室では、ブッダが悟りを開くようすを描いた作品も見ることができますよ。
半蔵門ミュージアムの所蔵品の中でも特に重要な美術品である《大日如来坐像》。こちらは重要文化財にも指定されており、その作風から運慶の作ではないかと推測されています。
たとえば、目には水晶が使われていること、足の裏のふっくらとした表現、耳の穴が本当に貫通して表現されていること、髪の毛の重みの表現など・・・挙げればキリがありません。
また、本像の内部には、五輪塔などの像内納入品と呼ばれるものが納められているそうです。これはX線や内視鏡で調べたことで明らかになりました。
今後技術が進めば、より詳しく内部のことを調べられるようになるかも?未来の研究に期待ですね!
開催中の「仏教美術の精華」の注目作品のひとつは、《三十三応現身立像 梵王身(ぼんのうしん)》です。
観音菩薩は、人びとの悩みや状況によってさまざまな33の姿に変化します。その33の姿は「三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)」と呼ばれています。その姿のひとつが梵王身です。悩み苦しむ私たちを、色んな姿で救おうとしてくれるとは、とても心強いですよね。
この他にも大変状態の良い金銀泥を使ったお経や、病魔退散を祈願するために描かれた「青面金剛像」などめずらしい仏教美術を鑑賞することができるユニーク展示となっていますよ。
半蔵門ミュージアムはすばらしい展示はもちろん、展示方法にも工夫が!それが特殊なガラスを使用した展示ケースです。
先ほどの大日如来坐像のケースには、ほとんど反射がないガラスが使われているので、仏像に直接向き合っているようで、とても臨場感があります。360度ぐるりと後ろ姿まで見ることができるのも◎
このガラスケースですが、時々じっくり鑑賞しすぎておでこをぶつけてしまう人もいるそう!鑑賞の際はつい夢中になりすぎないように注意してくださいね。
展示室は仏教作品と自分が対峙するような静かな空間となっていますが、より仏教についてや作品について知りたい方も多いと思います。そんな方向けに、解説パネルを展示するマルチルームもご用意。
こちらのパネルで、大日如来坐像のX線や内視鏡の写真を見ることができますよ。ご来館の際には要チェックです!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
同館では他にも、仏教について高精細映像でひもとくシアターや、会場とオンラインで聴講できる講座の開催、1階ロビーでの現代作家の作品展示などをしており、あますことなく仏教美術を楽しむことができます。
今回、スフマート編集部は半蔵門ミュージアムに初めて訪れました。常設展示→特集展示といった順で鑑賞しましたが、ブッダの一生をひもときながら、より仏教の世界へ深く入り込めるような内容となっており、仏教について詳しく知らない人にこそ是非行ってみてほしいなと思いました。
寒くなってきたこの季節に暖かい空間でぜひ芸術鑑賞してみてください!