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2024年11月1日
企画展示「陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-」/国立歴史民俗博物館
陰陽師と式神・外道 復元模型 国立歴史民俗博物館蔵
国立歴史民俗博物館にて、古代から近世まで、時代に合わせて活躍した陰陽師(おんみょうじ)を紹介する展覧会が開催中です。
テレビやマンガなど、さまざまなメディアに展開されている陰陽師。その実像はあまり知られていません。
本展では、陰陽師の仕事や生活文化の関わりについてをひも解いて「陰陽師」という存在に迫ります。
烏帽子、装束(袴・帯等) 国立歴史民俗博物館蔵 吉川家文書
古代日本のなかで中国から伝わった陰陽五行説をはじめとするさまざまな知識や技術をもとにして誕生した陰陽道。
それらは陰陽寮で管理され、暦や天文に関する書物や道具とともに研究されました。
陰陽師は陰陽寮に所属する占い師として、史料の中に現れています。
彼らは、占い(式占[しきせん/ちょくせん])、呪術・祭祀、暦日(れきじつ)・方角禁忌の指南の3つを仕事としていました。
また、貴族が病気になるとその原因を占わせたともいいます。
それは、病因が神や霊によるものか、単なる体調不良かによって治療法が異なったからだそう。
陰陽師は、平安時代の貴族社会には欠かせない存在でした。
三十二番職人歌合絵巻 16世紀 サントリー美術館蔵
古代日本において、重要な役割を担った陰陽師。しかし、お坊さん(僧侶)や神主さん(神職)のように、現代日本では実際に接することはありません。
実は、制度としての陰陽師は明治のはじめに廃止され、そのまま姿を消してしまったからです。
ドラマや小説、ゲームなどのメディアの中で生き続ける陰陽師。本展では、最新の研究成果とさまざまな史資料を通して、その実像に迫ります。
時代の流れの中でその身分と役割が変化してきた陰陽師ですが、一貫としてその活動の中心は暦の製作でした。
本展では、陰陽師と暦の関係についても紹介しています。
現代の私たちにとって暦は、月日や曜日を表示する無機質なしくみになっています。
しかし、陰陽道の世界観では、暦日には吉凶の意味が埋め込まれており、方位の神々の動きによって建築・旅行などの禁忌が発生しました。
占術・暦注雑書 16世紀初頭~前半 国立歴史民俗博物館蔵 吉川家文書
このような複雑な吉凶の記号を読み解くのが、陰陽師です。
本展では、陰陽師の姿を時代とその仕事の内容で辿り、ひも解いていきます。
ちなみに、かつて日本の暦は「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」が採用されていました。
現在は、世界の標準的な暦法である「太陽暦(グレゴリオ暦)」が採用されています。
太陽暦を日本で実施されたのは1873年。今年は、旧暦が姿を消してから150年の節目となる年です。
この節目となる年に、旧暦について知ることができるのも本展の見どころのひとつです。
安倍晴明公御神像 室町時代中期 晴明神社所蔵(京都国立博物館寄託)
安倍晴明(あべのせいめい)は、平安時代に実在した陰陽師です。
陰陽道は安倍氏と賀茂氏によって継承されていましたが、やがて安倍家の先祖のうち、晴明の事績がクローズアップされ、いろいろな説話となり、陰陽師のシンボル的存在となりました。
しのたづまつりぎつね付あべノ晴明出生 延宝2年(1674) 大阪大学附属図書館所蔵
晴明に関する逸話は、現代においては小説やマンガ、映画の題材として親しまれています。
また、安倍晴明の子孫やライバルについても紹介。
陰陽師のシンボル的存在である安倍晴明から、陰陽師の実像にも迫ります。
現代の人びとにも浸透している陰陽師の実像に迫る本展。
本展の展示は、科学研究費基盤研究©「古代~近代陰陽道史料群の歴史的変遷と相互関係の解明」の成果の一部です。
研究成果の展示のため、難しいところもありますがご安心ください。
本展をアシストするイメージキャラクター「セイメイくん」による、展示内容を分かりやすくしたパネルがキャプションの横に設置されています。
ミュージアムショップにも、セイメイくんのグッズが販売されていますよ。
ユニークなフォトスポットもあります
※会期中、展示替えを行います。