
国宝「風神雷神図屏風」も。日本美術の名品が京都に集結【京都国立博物館】
2025年5月12日
五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳/上野の森美術館
江戸のメディア王である蔦屋重三郎が注目されている今年は、各所で浮世絵の展覧会が多く開催されています。
その中でも、誰もが一度は観たことのある超有名な5人の浮世絵師を紹介する展覧会が、上野の森美術館で開催中です。
「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」では、美人画、役者絵、風景画など各分野で浮世絵の頂点を極めた5人の絵師の代表作を中心に、約140点を展示。
浮世絵を初めて楽しむ方にもオススメな展覧会です♪
喜多川歌麿「誤認美人愛敬競 兵庫屋花妻」寛政7-8年(1795-96)頃
美人画の第一人者である喜多川歌麿が描いた「誤認美人愛敬競 兵庫屋花妻」。熱心に手紙を読む女性は、吉原角町の遊女兵庫屋にいた呼び出し(最上位の遊女)です。
歌麿は、吉原風俗や市井の生活など優麗な女性のしぐさや想いを写し、人気を博しました。
(左)東洲斎写楽「三代目坂東彦三郎の鷲坂左内」寛政6年(1794)/(右)東洲斎写楽「四代目岩井半四郎の乳人重の井」寛政6年(1794)
東洲斎写楽は、歌舞伎役者の表情をリアルに捉え、独自のデフォルメで役者絵で一躍有名となった絵師です。
寛政6年(1794)5月から翌年の1月までの10ヵ月間に、約145点の錦絵を残しました。
取材した芝居の上演時期によって4期に分けることができる写楽の作画期。
それにより作風、仕様がきれいに分類できることが特徴とされています。
今回の展示では、半分以上が第1期の大首絵作品で、これだけの点数が一堂に揃うのは、大変貴重とのことです。
ぜひ、お見逃しなく!
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」天保2年(1831)頃
歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」天保4-5年(1833-34)頃
国内外でもっとも人気のある2大浮世絵師である、葛飾北斎と歌川広重。
どちらも印象派やゴッホなど、海外の画家にも影響を与えた人物です。
北斎と広重は、東海道をメインとした作品を手がけているという共通点があります。
風景画の名手である北斎、広重両名の作品も、見比べてみてください。
歌川国芳「相馬の古内裏」弘化年間(1844-48)頃
そして、これら4大スターに加えて「相馬の古内裏」などを描いた歌川国芳の作品も紹介。
国芳は、斬新なデザインで武者絵の世界を切り拓き、幕末・明治の浮世絵界のリーダーとなった人物です。
このように本展は、1人でも展覧会が成り立つほど有名な5人の浮世絵師を紹介する贅沢な展覧会です。
歴史や美術の教科書に載っている有名な作品も多数出品。浮世絵好きの方はもちろん、これから浮世絵に触れる方にもおすすめです!
お手持ちのスマートフォン*を使用して、来場者全員が無料で聞ける音声ガイドサービスも付いています。
*会場での機材やイヤホン等の貸し出しはございません。スマートフォンとスマホ用のイヤホンなどをお持ちください。
個性あふれる5人の浮世絵を、歌舞伎俳優の尾上松也さんがナビゲーション。ガイドを聞けば、きっとあなたの推しの浮世絵師が見つかるかもしれませんよ。
石川真澄「挑む」 尾上松也「挑む第八回外伝」より 平成28年(2016)
また、尾上松也さんが2009年より「挑む」と題して行ってきた歌舞伎自主公演に際し描かれた作品も展示しています。
本作を含めて、一部作品は写真撮影OKです。撮影の際は、会場内の注意書きをご確認ください。
会場内特設ミュージアムショップでは、「五大浮世絵展」オリジナルグッズを販売中です。
展覧会の思い出にピッタリなポストカードをはじめ、五大浮世絵師にちなんだ、さまざまな商品も。
特設ミュージアムショップもお見逃しなく。
浮世絵の歴史を彩った歌麿、写楽、北斎、広重、国芳の5人を紹介する「五大浮世絵師展―歌麿 写楽 北斎 広重 国芳」。
風景、美人、役者、武者、戯画という多彩な主題を通して、それぞれの絵師が描き出した世界が楽しめる展覧会です。
オンラインチケットも販売中。詳しくは、展覧会公式サイトをご確認ください。