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2024年11月1日
萩原朔美 都市を切取り、時を生け捕る/BAG-Brillia Art Gallery-
2021年に東京・京橋にオープンしたBAG-Brillia Art Gallery-は、「暮らしとアート」をテーマにした展覧会を企画・開催しています。
そんなBAGでは現在、「暮らしと文学」の観点から、詩人萩原朔太郎(1886-1942)の没後80年を記念して萩原朔太郎の軌跡とともに、その孫である映像作家、エッセイスト萩原朔美氏の幅広い活動を紹介する展覧会「萩原朔美 年を切取り、時を生け捕る」が開催中です。
「+1(プラスワン)」「+2(プラスツー)」の2つの展示スペースを使って開催される本展。ここでは、各スペースの見どころをご紹介していきます。
「月に吠える」や「青猫」など詩集で知られる萩原朔太郎。1886年11月1日に群馬県前橋市に生まれました。口語の緊迫としたリズムで、感情の送素気を鮮烈なイメージとして表現し、後の詩壇に大きな影響を与えた詩人です。
ちなみに、「朔太郎」という名前の由来は、長男で朔日(ついたち)生まれであることから、命名されたといいます。
そんな朔太郎の孫にあたる萩原朔美氏は1967年、寺山修司主宰の演劇実験室・天井桟敷(てんじょうさじき)の立ち上げに参加して俳優、演出家として活動。さらに1972年に結成された「ビデオひろば」に参加し、映像作品を制作するなど幅広いジャンルで活躍しています。
「+1」では、朔美氏が近年ライフワークとする路上観察から生まれた写真をコラージュした作品と映像を中心に展示。カーブミラーなど、街中のありふれたものを毎日のように探しては撮影を続け、それらを集め、つなげることで、時間の蓄積がもたらす独特の感覚が生まれます。
朔美氏は、1975年に雑誌「ビックリハウス」を創刊し、初代編集長を務め、70年代および80年代の若者に大きな影響を与えたサブカル文化の立役者でもありました。
本展では、同誌の表紙を当時の貴重な資料も展示します。なんと、カルビーポテトチップスのマスコットキャラクターで知られるイラストレーター原田治が手掛けた表紙も! 絵のタッチが違ったので、キャプションを見てびっくりしました。
もうひとつのギャラリー「+2」では、朔太郎が生前撮影した、あるいは被写体となった写真を、朔美氏が同じ場所・状況をできるだけ再現して撮影した写真を並べて展示しています。
2022年の今飾られているよく似た2つの写真のうち、ひとつはおよそ100年前に撮影されているもので、100年の時間を閉じ込めた定点観測であるといえます。
朔太郎、朔美氏、朔太郎のひ孫である萩原友氏の三代の写真作品に注目! 本作は、群馬県前橋市の太田写真館で撮影された朔太郎と妹の津久井ユキの写真をオマージュしたものです。
実は、撮影者の太田写真館の方も孫、ひ孫なのだそう! ちなみに、撮影にあたり苦労したのは女性の髪形の再現だといいます。日本髪を結う人も年々減ってきているので、再現が難しいのだそうです。
細かなところまで再現しているので、目をこらして観てみてくださいね◎
萩原朔美氏の幅広い活動を紹介する本展。
2021年に、これまで朔美氏が手掛けてきた版画やブックオブジェ作品などの大半が世田谷美術館に収蔵されました。こられは、今年12月に開催するコレクション展「それぞれのふたり 萩原朔美と榎本了壱」で紹介される予定とのこと。ますます、朔美氏の活躍から目が離せませんね!