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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
東北へのまなざし 1930-1945/東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーで、1930年代から1945年にかけて東北を訪れ、この地の建築や生活用品に注目した人びとを紹介する展覧会が開催中です。
芹沢銈介 日本民藝地図(現在之日本民藝) 1941年 日本民藝館蔵
建築家ブルーノ・タウトや民藝運動を展開した柳宗悦など、先端的な意識をもった人びとが東北に向けた「眼」を通して東北地方を改めて検証する本展。全6章で構成される本展の見どころを紹介していきます。
※展覧会詳細はこちら
ドイツでナチス政権が発足した1933年に来日したブルーノ・タウト(1880-1938)。仙台の商工省工藝指導所でデザイン規範を約半年間指導した後、高崎でも工芸品のデザインや指導に携わりました。
仙台滞在時を除くと、東北への旅は大きく3回に分けられます。1936年2月には版画家・勝平得之(かつひら とくし)の案内で秋田を再訪し、雪国ならではの祭りや風物を楽しんだといいます。
(左)ブルーノ・タウト(原型指導)ライトスタンド1-D型 1933年原型指導/1984年復元
(右)ブルーノ・タウト(原型指導)ライトスタンド1-B型 1933年原型指導/1984年復元
いずれも、仙台市博物館蔵
本展では、タウトの秋田の旅を年表形式で追うとともに、仙台や高崎でデザインした工芸品を展示。さらに、死後に日本の友人に託された日記やアルバム、原稿などの遺品からタウトの東北での足跡を辿ります。
ブルーノ・タウト 写真アルバムⅠ-Ⅵ 4冊 1933-36年 岩波書店(早稲田大学図書館寄託)
当時の外国人から見た日本、とりわけ「東北地方」と限られた地域から当時の日本の姿を知ることができるのが、とても新鮮です。
桂離宮や伊勢神宮を日本建築の最高傑作であると評価する一方で、日光東照宮などの豪華で煌びやかな装飾が施された建築を嫌うなど、好き嫌いがはっきりとした批判精神を持っていたタウト。そんな辛口の文明批評家である彼が愛した「東北像」を、ぜひ間近で観てみてください。
1925年に「民衆的工藝」の略語化である「民藝」を提唱した柳宗悦(1889-1961)は、1927年から1944年までになんと20回以上も東北を訪れています。
当時、まだ発展途上な地域とみなされていた東北地方は柳にとって「驚くべき富有な地」であり、「民藝の宝庫」でした。ここでは、柳が東北各地で収集した蓑(みの)や刺子、陶芸などの品々のほか、芹沢銈介や棟方志功の作品を紹介しています。
寒い地域を快適に過ごすための工夫と手間に独特の美を見出した柳。彼が見た等身大の東北地方にも注目です。
交通機関の発達により、旅行ブームが生まれた昭和初期。これにより、人びとの興味は地方へ向けられました。
地方への関心が高まると、本来、子どもが楽しむものであった郷土玩具は、大人の趣味・収集の対象となっていきます。
本展では、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島の6県が主な産地である郷土玩具「こけし」を、大きく11の系統に分類して展示。そのほかにも、今でも土産物として知られる「赤べこ」や土人形など、もうひとつの手工芸ともいえる郷土玩具の世界を紹介します。
(左から)赤べこ 昭和初期/腰高虎 幕末期/お面 昭和初期 いずれも、三春郷土人形館 らっこコレクション蔵
当時、国内では後進的な周縁とみなされてきた東北地方が、じつは豊かな文化を持つ地域であることが分かる本展。日本を再発見できる展覧会でした。
なお本展は、岩手県と福島県で開催された巡回展であり、この東京展が最後の開催地となります。遠くへの移動がまだ制限されるこの時期に、東京駅でプチ旅行気分を味わってみては?
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2022年8月21日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。