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2024年11月1日
重要文化財の秘密/東京国立近代美術館
東京国立近代美術館にて、明治以降の絵画・彫刻・工芸の重要文化財51点を紹介する展覧会、東京国立近代美術館70周年記念展「重要文化財の秘密」が開催中です。
高村光雲《老猿》1893(明治26)年 東京国立博物館蔵 通期展示
史上初となる展示作品すべてが重要文化財となる本展では、日本の近代美術の魅力を再発見するとともに、近代日本美術史の研究の足跡を辿ります。
さらに、東京国立近代美術館所蔵の重要文化財全17件を一挙に公開!
ここでは、またとない機会となる本展の見どころをご紹介していきます。
重要文化財とは、1950年に公布された文化財保護法に基づき、日本に所在する建造物や美術工芸品、考古資料などの有形文化財のうち、日本の文化史上貴重なものなどについて文部科学大臣が定めたものの総称です。
そのうち特に優れたものが「国宝」に指定されます。
鈴木長吉《鷲置物》1892(明治25)年 東京国立博物館蔵 通期展示
現在、国指定の重要文化財(美術工芸品)は10,872件ありますが、本展で紹介する明治以降の絵画・彫刻・工芸は68件しか指定されていません。
本展では、その68件のうち51点を紹介。重要文化財のみで構成される展覧会は、今回が初めてとなります。
「重要文化財の秘密」展は、東京国立近代美術館開館70周年を記念する展覧会です。
そんな同館の節目の年に、史上初となる重要文化財のみで構成する本展。展示作品が一見すると同館が所蔵する「名品展」というイメージがありますが、そうではありません。
今でこそ「傑作」と呼び声高い作品も、発表された当初はそれまでにない新しい表現を打ち立てた「問題作」でもありました。
本展では、そうした作品がどのような評価の変遷を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかという「美術史の秘密」にも迫ります。
展示作品の中でも、スフマート編集部が特に気になった作品をピックアップ!作品にどのような背景があるか、簡単にご紹介します。
原田直次郎《騎龍観音》1890(明治23)年 護国寺蔵(東京国立近代美術館寄託)通期展示
白衣観音が龍の背に乗った姿を描いた本作は、原田直次郎による《騎龍観音》(きりゅうかんのん)という作品です。
原田はドイツで油彩画を学び、西洋の伝統的な宗教画の描き方を身に付けて帰国しました。その後、学んだ技術で仏教的な主題に挑んだ原田。
伝統的な仏画とは異なり、陰影や遠近法を取り入れたリアルな描写は、当時の日本の人びとには戸惑いをもって受け入れられたのだそう。
ちなみに、白衣観音が乗る龍は実在しないため、犬やにわとりなどを参考にして描いたといいます。よく見てみると、確かに龍の顔は犬っぽいかも?
横山大観《生々流転》1923(大正12)年 東京国立近代美術館蔵 通期展示
横山大観《生々流転》は、水の輪廻を表した水墨絵巻です。
全長40mと非常に長い本作は、東京国立近代美術館でも限られたスペースでしか全て広げて展示できないとのこと。それが本展では全て観ることができますよ◎
横山大観《生々流転》1923(大正12)年 東京国立近代美術館蔵 通期展示
2023年は本作が描かれてちょうど100年と節目の年。この機会をぜひお見逃しなく!
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10年前の開館60周年記念展「美術にぶるっ!」展で、同館の所蔵品・寄託作品計13点の重要文化財をまとめて展示しました。
本展では、その後に指定された作品や、石川県・金沢に移転した国立工芸館の鈴木長吉《十二の鷹》を加えた17件を初めてまとめて公開します(会期中展示替あり)。
鈴木長吉《十二の鷹》1893(明治26)年 国立工芸館蔵 通期展示
鈴木長吉《十二の鷹》は、色とりどりの繋ぎ緒を付けた十二の鷹が、それぞれ異なるポーズで木製漆塗の架(ほこ)と呼ばれる止まり木に止まった姿を見事に表現した金工芸作品です。
江戸時代以来の金工技術の粋を尽くした作と高く評価されていた本作。近年のX線調査で、当時導入されたばかりの電気メッキが用いられている可能性も出ています。
今にも飛び立ちそうな鷹たちの姿を、ぜひ間近でご覧ください◎
東京国立近代美術館初となる、展示作品全てが重要文化財という「重要文化財の秘密」展。
美術の教科書や美術全集でおなじみの作品を間近で鑑賞できる、またとない機会となっています。
美術が好きな方はもちろん、興味を持ち始めた方にもおすすめの展覧会です。
会期中、展示替えがあります。詳しくは展覧会公式サイトをご確認ください。
展示作品、展示期間、開館日等変更になる場合があります。最新情報は展覧会公式サイトをご確認ください。