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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
さくらももこ展/そごう美術館
『ちびまる子ちゃん』『コジコジ』『もものかんづめ』などを生み出したさくらももこ(1965-2018)のすべてが詰まった展覧会が、そごう美術館(そごう横浜店 6階)で開催中です。
老若男女問わず、長い間日本国民に慕われてきたさくらももこのキャラクターたちが生まれた秘密を知ることできる本展。
©さくらももこ ©さくらプロダクション
約300点もあるカラー原画や、さくらももこ直筆の原稿などが一斉に公開されます。
日々の生活から「書く」楽しみと「描く」喜びを味わうことに貪欲だったことが伺える作品たち。
漫画家、作詞家、エッセイストや脚本家など、多彩な才能を発揮する彼女の世界観に迫りましょう。
さくらももこは1965年に静岡県清水区で生まれました。
もともと文章を書くこと、絵を描くことが好きだった彼女は、自然に漫画家を目指すようになり、1984年には『教えてやるんだからありがたく思え』で漫画家デビューを果たします。
2年後には『りぼん』(集英社)にて『ちびまる子ちゃん』の連載を開始。その3年後には、第13回講談社漫画賞を受賞しています。
主な作品には、さくらももこ初のエッセイ集の『もものかんづめ』、漫画の『コジコジ』『神のちからっ子新聞』などがあります。
展覧会の構成は5章から成り立っており、順を追ってたどっていくと、季節のうつろいや小さな日常を愛した彼女が見ていた世界を知ることができます。
まず、展覧会入口にて私たちを迎え入れてくれるのはベンチに座る女学生と小さな女の子、おじいちゃん3人の絵です。
富士山が背景に描かれた景色は、彼女の生まれ故郷の清水での日常なのでしょうか。
柔らかな色彩が、さくらももこの世界観と合わさり、絵に寄り添うようにそえられた詩が温かみを感じさせます。
序章である「さくらももこができるまで」を経て、足を進めるとさくらももこの代表作ともいえる『ちびまる子ちゃん』の章に入ります。
お調子者で少し怠け者なところもあるけれど、家族や親友のたまちゃん、クラスメートたちと楽しく愉快に過ごすようすが独特のタッチで表現されています。
第2章・第3章ではさくらももこの現実での日常を見ることができます。
たとえば、エッセイ漫画に目覚めたきっかけ。高校3年生のときに書いた作文が「清少納言が現代に来てかいたようだ」と先生に言われたことから、エッセイ漫画を描くことを思いついたのだとか。
壁一面に飾られた、彼女直筆の原稿用紙は圧巻です。
第3章では、1994年に生まれた長男を中心とした作品を展示。
子どもが生まれてから、一緒に過ごす時間をとても大切にしており、絵本や絵日記などの創作活動も始めるようになりました。
後半はブラックユーモアたっぷりの作品たちがお目見えです。
「ももことコジコジ」の章では、代表作のひとつ『コジコジ』について展示。
主人公のコジコジは、正体不明の落書きから誕生しており、赤ちゃんのようでいて人間の心理を突くようなセンスを持ち合わせる不思議なキャラクターです。
いつも楽しく自由に、ふわふわ生きているようでいて個性的な仲間たちと絶妙な会話を繰り広げます。
何とも言えないユーモラスさが、さくらももこ自身もお気に入りだったそうです。
最終章「アトリエより」では、彼女が特に愛した『ちびまる子ちゃん』と『コジコジ」』かわいらしいイラストが展覧会を締めくくってくれました。
さくらももこの人柄が伺えるような、ユーモアと茶目っ気たっぷりの作品たち。
子どもだけでなく、大人もついつい「クスッ」と笑ってしまうような、世代を問わず楽しめる展覧会でした。
きっと、あなただけのお気に入り作品が見つかるはずです。
横浜展終了後、本展は静岡や兵庫神戸を巡回する予定です。
静岡・静岡市美術館 2023年6月17日~8月23日
兵庫・神戸ゆかりの美術館 2023年9月16日~12月28日