塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目
2024年10月3日
高知県立牧野植物園にて、菅原一剛「MAKINO 植物の肖像」展が、2023年10月1日まで開催中です。
本展は、NHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルである植物分類学者・牧野富太郎博士の「植物標本の美」に迫る展覧会です。
「牧野標本」の生命感と独自の美しさに感銘を受けた、写真家・菅原一剛。
菅原は2020年11月に、高知県立牧野植物園が所蔵する牧野標本・約5,500枚のうち、博士の研究フィールドの広さがうかがえる厳選した41枚の標本の「肖像写真(ポートレイト)」を、世界最高水準の1億5千万画素(15K)のデジタルカメラと技術を駆使して撮影しました。
本展では、科学的資料である「牧野標本」の美しさに着目し、牧野博士の功績をアートとサイエンスふたつの視点から紐解く初の試みです。
さくら色(ART)とみどり色(SCIENCE)をテーマにしたそれぞれの空間で「牧野標本」の魅力を紹介します。
「Room 1」では、桜を愛した博士の庭に植えられていた「センダイヨシノ」の高精細なピンクプラチナプリントを展示します。
さらに本展示に際して特別に100×150cmに拡大された「植物の肖像」では、博士が顕微鏡を通して見ていたであろう葉脈まで精細に見ることができ、植物のミクロの世界を紹介。
肖像写真を撮るようにまっすぐに光をあてて撮影したことで植物の微細な陰影が立体的に写し出された「新たなボタニカルアート」ともいえる標本写真の十数点を鑑賞することができます。
「Room 2」では、個々の植物のプロフィールとともに、被写体となった牧野標本と貴重な資料などを特別に展示します。
さらに現在牧野植物園のある五台山で牧野博士が採集した「ビロードムラサキ」の標本から、時代や場所を超えて受け継がれていく植物標本の奥深さを紹介します。
また、標本を通じたロシアの植物学者・マキシモヴィッチ博士との交流や、妻の名前を冠した「スエコザサ」発見のサイドストーリーなども鑑賞できますよ。
会期中、Room1で展示される標本写真14点について、写真家・菅原一剛と標本のセレクトを担当した牧野植物園の藤川和美研究員による解説を「マキノラジオ」にて配信します。
会場内で聴きながら鑑賞いただくことでより深く牧野標本の魅力を楽しむことができますよ。
こちらと一緒にぜひ、本展を鑑賞してみてくださいね。
「マキノラジオ」:https://podcasters.spotify.com/pod/show/makinoradio
※Spotify/ApplePodcast(上記より選択して視聴可能)
企画展 菅原一剛「MAKINO 植物の肖像」展
会場:高知県立牧野植物園 牧野富太郎記念館 展示館 企画展示室・植物画ギャラリー
会期:2023年7月15日〜10月1日
公式サイト:http://makinobapj.com/syozo2023