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2024年11月1日
「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」展/弥生美術館
前期展示のようす
鮮やかな色使いと斬新なデザインが特徴的な着物「銘仙(めいせん)」。大正から昭和初期に大流行した着物です。
そんな銘仙の魅力を紹介する展覧会が弥生美術館で、2023年12月24日まで開催中です。
着物 格子に蝶々尽くし文様単衣
産地:伊勢崎/年代:1930~40年/織り方:併用絣
(産地、年代ともに推定)
本展では、銘仙蒐集家・研究家の桐生正子氏の約600点の銘仙コレクションから選りすぐりの銘仙60点を展示。
さらに、弥生美術館の着物の展示ではお馴染みの着物スタイリスト大野らふ氏による本展のための新コーディネートも数多く紹介します。
前期展示のようす
大正から昭和初期にかけて大流行した絹の着物地である銘仙。
伊勢崎や桐生(いずれも群馬県)、足利(栃木県)、秩父、八王子など関東近郊が主な生産地です。
絹製品としては安価だったことから、女学生の通学着や若い女性のオシャレ着として人気を博しました。
1925年の「考現学」調査では、銀座を歩く女性の約半数が銘仙を着ていたと報告されていたのだそう。
しかし、昭和30年代には洋装が広く定着したことにより、銘仙はほぼ生産中止になり、表舞台から姿を消しました。
前期展示のようす
そんな銘仙ですが、2000年頃に巻き起こったアンティーク着物ブームで再び脚光を浴びます。
海外では、1920年代~30年代に花開いた日本のモダンデザインのひとつとして評価が高まり、イギリス、オーストラリア、オランダなどの国立美術館にも所蔵されているといいます。
前期展示のようす
国内外で評価されている銘仙の魅力を伝える本展。展示されている着物のほとんどは、銘仙蒐集家・研究家の桐生正子氏のコレクションです。
桐生氏は京都で大学時代を過ごしていた時に銘仙に出会いました。
約20年かけてコレクションした銘仙は約600点。どれも「自分が着たい」という視点で集めたガーリッシュな銘仙がコレクションの中心となっています。
帯:染め昼夜帯/帯留:オニキス パール 合金 すべて昭和初期、個人蔵
本展では着物だけではなく、大正末~昭和初期の帯・小物を使ったコーディネートで銘仙の魅力を紹介。
着物コーディネーター大野らふ氏による、弥生美術館のために考えた新コーディネートにも注目です。
前期展示のようす
銘仙は仮織りして型で染めた後、ほぐして織り直すという方法で作られています。
柄を近くで見ると、りんかく線がかすれて、織りの線がギザギザしていることが分かります。
これにより、強い柄や線でも派手になりすぎないのだそう。着る人の表情を華やかにする、さまざまな工夫が施されています。
前期展示のようす
こちらは、銘仙ブームに拍車をかけたカフェーの女給の姿を再現した展示です。
「カフェー」とは、大正・昭和初期に、女給がお酌をして洋酒類を飲ませた飲食店のこと。ここで働く女給たちは、派手な縞銘仙を着て職場に向かっていたと言います。
流行りの柄を着こなして街を歩く女給たちは、ファッショニスタでした。
加藤美紀《ビアホール》2023年(原画展示は前期のみ)
本展では、画家・加藤美紀による描き下ろし作品も併せて展示。帯の柄など、再現展示では見られない後ろ姿をじっくり鑑賞できますよ。
なお、原画は前期のみの展示で、後期からはパネル展示となります。
アンティーク着物ブームのけん引役として登場した銘仙の魅力を再発見する本展。
本展開催中は、弥生美術館公式SNS(X・Instagram)にて連動企画も開催中です。
銘仙を着た写真に「#銘仙でお出かけ」「#大正の夢秘密の銘仙ものがたり展」の2つのハッシュタグをつけて投稿すると、弥生美術館館内で写真が紹介されますよ。
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