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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝/森美術館
展覧会会場入り口
森美術館(東京・六本木)にて「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」が、2024年9月1日(日)まで開催中です。
シカゴを拠点として活動するシアスター・ゲイツの国内最大規模の個展で、今注目のブラック・アートに触れられるチャンスです。
「アフロ民藝」というインパクトの強いタイトルに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
このタイトルを紐解く鍵は、「文化の融合」です。
黒人文化と日本の民藝文化が出会うとどのような道が開けるのかを、アートで問いかけます。
音楽が流れ、香りが漂う空間や、実際に本を手に取って閲覧できるセクションなど、視覚だけでなく五感を使ってゲイツの作る空間に浸れます。
シアスター・ゲイツ《黒人仏教徒の香りの実践》2024年 / シアスター・ゲイツ《人型1》2023年
シアスター・ゲイツは1973年にシカゴで生まれ、現在もシカゴを拠点に創作活動をしています。
彫刻や陶芸などを中心に、ジャンルの垣根を越えたさまざまな作品を生み出し、世界的に注目されているアーティストのひとりです。
2004年には陶芸を学ぶため愛知県常滑(とこなめ)市を初めて訪れ、20年以上の長きにわたって日本の文化に触れてきました。
「常滑は私の人生を一変させた場所。世界で一番重要な場所です。」と語るゲイツ。
日本愛や常滑愛、そして自らのバックグラウンドにある黒人文化を融合させた新しいアートを発表しています。
「アフロ民藝」展示風景
アフロ民藝は、黒人のアイデンティティなどの象徴として親しまれているヘアスタイル「アフロ」と、日本の民衆的工藝「民藝」を合わせた造語です。
アメリカの「ブラックイズビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学を併せ持つアフロ民藝は、まさにゲイツが探求する文化的ハイブリディティからなるアート。
異なる文化を実験的に融合させるこの試みは、お互いの文化を尊敬し、称賛し合う中で新たな文化を生み出すゲイツの提案とも言えます。
待望の国内初個展、かつシアスター・ゲイツにとってアジア最大規模の個展として注目されています。
展示の内容は「神聖な空間」「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」「ブラックネス」「年表」「アフロ民藝」と、5つのセクションに分かれています。
シアスター・ゲイツ《へブンリー・コード》2022年 、 リチャード・ハント《天使》1971年
まず、入ってすぐの大きな空間は「神聖な空間」。
ゲイツ自身の作品はもちろん、彼が尊敬する作り手や影響を受けてきたアーティストの作品も一緒に展示されています。
「神聖な空間」展示風景
この空間全体が「美の神殿」をイメージしたインスタレーションとして成り立っています。
注目してほしいのは、床に敷き詰められたレンガ。
このレンガは「散歩道」(2024年)という作品で、約1万4000個のレンガが空間の緊張感を引き立てています。
ここでは、空間に漂う常滑のお香の香りやハモンドオルガンを使ったパフォーマンスなども楽しめます。
「ブラックネス」展示風景
「ブラックネス(黒人であること)」をテーマにしたセクションでは、彼を語る上で外せないタールペインティングや陶芸などを展示。
ゲイツの信念や問いが強く反映された空間が広がっています。
「アフロ民藝」展示風景、《小出芳弘コレクション》1941-2022年
「アフロ民藝」展示風景
そして「ブラックイズビューティフル」と「民藝運動」をハイブリッドさせた「アフロ民藝」のセクションも。
常滑の陶芸家、小出芳弘さんの作品群およそ2万点を展示した迫力満点の棚の先には、まるでディスコのような煌びやかな雰囲気が漂っています。
「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」展示風景
また、ゲイツが関わった建築プロジェクトの中で作ったライブラリーを再現している「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」も。
ライブラリーに展示してある書籍は、実際に手に取って読むことができます。
今回の展示では、森美術館初の試みとして、中学生以下は無料で入館可能。
さらにゲイツ本人も登場するオーディオガイドもなんと無料で借りられます。
夏休みなどの大型連休の学びの場として、気軽にアートに触れる経験ができます。
ぜひ、ゲイツ自身の言葉を聴きながら、展示を回ってみてください。
なお、本展は事前予約制(日時指定券)を導入しています。詳しくは、展覧会公式サイトをご確認ください。
左から伊藤辰矢市長、シアスター・ゲイツ、常滑市のキャラクタートコタン
展示期間中限定で、常滑市応援大使に委嘱されることが決定したシアスター・ゲイツ。
23日に実施された内覧会では、常滑市の伊藤辰矢市長による委嘱式が行われました。
委嘱式には、常滑市のキャラクター「トコタン」もお祝いに駆けつけました。
会場後方から登場したトコタンに笑顔で大きく手を振るゲイツのお茶目な姿が印象的でした。
森美術館では、「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」と同時に、3つの小プログラムも開催中です。
どれも見逃せない内容ですので、ぜひあわせてご覧ください。
ミュージアムショップでは、ゆかりの地でもある常滑の特産品が購入できるブースがあります。
展示を観て、常滑焼に興味が湧いた方はおみやげにいかがでしょうか。
今回、会場に入って圧倒されることは間違いないのですが、入場前にひとつ注目してほしいポイントがあります。
それがチラシです。
全体的にザラっとした手触りの質感の紙に印刷されているチラシは、文字を印刷したテープが貼ってあるようなデザイン。
そして、このテープの部分はツヤ加工を施しているため、本当にテープが貼ってあるように見えます。
「テープが貼ってある!」と、思わずカリカリと剥がしてみたくなるはずです。
そんなおもしろい仕掛けが施されたチラシもじっくり見てみてください。