塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目
2024年10月3日
生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界/東京都庭園美術館
東京都庭園美術館にて、「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」が開催中です。
大正ロマンを象徴する芸術家・竹久夢二(1884-1934)の生誕140年と没後90年を記念する本展。
大正中期に描かれ、長年行方不明であった幻の名画《アマリリス》と新しい研究をもとに、夢二の生涯を紹介します。
竹久夢二は1884年、岡山県に生まれました。
20代のはじめに雑誌『中学世界』に、「夢二」という雅号を初めて用いて投稿したコマ絵が入選し、本格的に画家として活動を開始。
絵や美術の専門的な学校に通うことなく、独学で自分らしいスタイルを作り上げました。
特に夢二が描く、目や手が大きく、色白で夢見るような表情の女性たちは「夢二式美人画」と呼ばれ、今も多くの人を魅了しています。
絵画だけでなく、雑誌や楽譜の装幀、日用品のデザインなどあらゆる分野に取り組み、時代を切り拓いてきた夢二。
そんな夢二のデザインは、カワイイ文化の先駆けとも言えるでしょう。
当時の若い女性たちを魅了したそのデザインは、現代まで生き続けています。
カワイイ文化の生みの親ともいえる夢二の魅力を存分に表現しようと、こだわって制作された展覧会公式図録に注目。
図録単体と、4種類の絵柄が選べる箱入り(レターブック1冊付き)の2つパターンで販売されていますよ。
遠方にお住いの方は、通販でもオンラインでも購入可能です。
詳しくは展覧会公式サイトをご確認ください。
本展は、夢二の故郷にある岡山の夢二郷土美術館のコレクションを中心に、画家の生涯を紹介しています。
竹久夢二の作品を専門に収蔵した最初の美術館である夢二郷土美術館。
特に、優れた肉筆画を代表とするコレクションは、日本最大にして随一を誇ります。
そのなかでも注目の作品は、長らく行方不明であった幻の名画《アマリリス》。
本作は、1919年に福島県で開催された展覧会に出品されたのち、東京の本郷にあった「菊富士ホテル」の応接間に飾られていました。
1944年のホテル閉館後、所在不明となっていた本作。
近年の調査により発見され、2023年に夢二郷土美術館に収蔵されました。
そもそも、夢二の油彩画は現存するだけでも約30点と少なく、本作はその来歴も含めて大変貴重な作例といえます。
本展では、《アマリリス》に加えて、夢二の油彩画を14点展示し、油彩画家としての夢二の一面も紹介します。
本展の会場である東京都庭園美術館の本館は、かつて朝香宮家の自邸であった場所です。
実際の生活空間に施された多彩な装飾が見どころとなっている同館。
夢二も生涯を通じて芸術で人びとの暮らしを彩ることに関心を向けていました。
ホワイトキューブの空間では味わえない、東京都庭園美術館ならではの展示にも注目です。
夢二は、晩年の1931年から約2年間、欧米各地を巡る旅に出かけます。
1930年代前半は、モダンな芸術と都市文化が急速に発展する一方で、ドイツでナチズムが勢力を付けて始めた不穏な時代でもありました。
夢二は滞在中の出来事を多数のスケッチとして残しています。
その一部は、友人で医師の正木不如丘(まさきふじょきゅう)の手元に残されました。
本展では、正木旧蔵資料であるスケッチ帖を初公開!
晩年の夢二の姿にも迫ります。
竹久夢二の生誕140年、没後90年を記念する展覧会「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい時代」。
東京展を皮切りに、岡山の夢二郷土美術館、大阪のあべのハルカス美術館を巡回。
そのほかも、富山など全国5~6館への巡回も予定されています。
本展では、ドレスコード割引も実施!
会期中きものを着て来館すると、当日券を100円引きで購入できます。
会場には数カ所フォトスポットもあります。
きもののお出かけ候補に、YUMEJI展もおすすめですよ!
入館方法については、東京都庭園美術館公式サイトをご確認ください。